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さとり「私はね、彼の体重の21gの差が気になったの。」
私は、友人である橘六花をお茶に誘い、21gの差についての話を持ち出した。
六花「それ、誤差じゃない?科学上ではよくあることだよ。」
六花は幽霊等の非科学的なものは信じない性格で、私の話にはあまり興味が無さげだった。
さとり「うん、ド正論を正面からありがとう。」
嫌味たっぷりに微笑みながら彼女に言葉を返した。
六花「目が全く笑ってないんですケド…」
はぁ、と溜め息を吐きながら六花は此方をみやる。
六花「なら、その21gをさとりは何だと思の?」
六花は興味無さげに、自慢の(ruby:金髪:ブロンド)を弄りながら私に問うた。
さとり「フフ、それはねぇ…」
"魂の重さだよ"
六花「はぁ?」
怪訝そうな顔をしながら六花はその整った眉をつり上た。
六花「私の知ってるさとりはそんなに馬鹿じゃなかったと思うけど」
手元のコーヒーを飲み干しながら、六花は呆れたように眼を伏せた
さとり「んー、相変わらず辛辣だねぇ、六花は」
六花「非科学的な事を信じない私にその話をするさとりが悪い。断じて私の言葉が辛辣且つ毒舌な訳じゃないから。」
さとり「そう言うところが辛辣なんだってば…」
無自覚な六花の毒舌に少し口許を引きつらせながら私も目の前の紅茶を手に取った
さとり「………」
そう言えば、ライトはアプリコットティーが好きだったっけ。
彼と私は紅茶の好みがよく合って、まるで運命みたいだ、なんて笑い合ったのを覚えている。
私が一人彼との思い出を追懐していると、六花は白い手で私の頬を包んだ。
甘い琥珀色の瞳が、私を見つめる。
六花「あんまり、溜め込まないようにね。」
何のことか、分からなかった。
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