おお、素晴らしき食べ物
西芹ミツハ
お隣のお味噌汁
たとえば、お豆腐とわかめのお味噌汁。
たとえば、なめこのお味噌汁。
たとえば、玉ねぎのお味噌汁。
お味噌汁、の一つでいろんな味が想像できる。お味噌やお出汁次第で、色も風味もぜんぜん違う。
木綿豆腐の少し固い食感と、わかめのつるっとした感じとが、汁と一緒に口の中に広がるのが安心する。
なめこのにゅるっとして、噛んだ時にぷつんと歯切れよいのが楽しい。
玉ねぎは、しょっぱさのあるお味噌汁を一段と甘くしてくれて、柔らかくなったそれを噛み締めるのが幸せ。
他にも、豚肉を入れた豚汁は豚肉の脂と甘さが体に染み込むようだし、根菜いっぱいのけんちん汁は、歯ごたえがあって食べたぞ!
って気持ちにさせてくれる。
そうそう。玉ねぎのお味噌汁といえば、いつだったか、料理を終えた母に擦り寄る小さな自分に、母が撫でてくれた時の手の匂いだった。
それを知ったのは子供の頃、初めて、料理をしたとき、玉ねぎを切ったあとの手の匂いが、あの日の母の匂いで、ちょっぴりセンチメンタルな気分と、料理が出来たことで、少し大人になったような気がしたんだ。
他にも、父方の実家だとミョウガを入れるもんだから、小さな自分には辛くて、必死に食べてたっけなぁ。
皆の思い描くお味噌汁も、きっといろいろなんだろうね。
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