第262話 監視団体
海外にはインターネット上の個人情報や表現の自由や匿名性、人権の保護等を行う団体が存在し、法律的にも技術的にもメンバーを抱えて、政府を監視して、施策に異議を唱える体制がある。 寄付文化に支えられて、財政的にも独立性がある。
米国で社会保障番号が乱用されない理由として上記の体制がある程度作用している。
電子フロンティア財団
www.aclu.org/
American Civil Liberties Union
www.aclu.org/
Citizen Lab
citizenlab.org/
Lookout
www.lookout.com/
Tor Project org
www.torproject.org/index.html.en
NHK BS 追跡 ペガサス
イスラエルのセキュリティ企業が各国政府向けに販売している対テロ用スパイウェアが不当に使われたことを追跡したマスメディアの記者たちの記録。反体制派の取り締まりや政治家の個人的目的で、各国の記者のスマホに感染させた。
citizenlab.ca/2023/05/cr1-armenia-pegasus/
これに対して、国内には、あまり頼りにできる団体がない。幸いなことに、政府があまり見苦しいことをすると、守護神のひろみちゅ大魔神が降臨する。ただ、いつまでも高木さんに頼っているわけにはいかない。コインハイブ事件では、高木さんのサポートと日本ハッカー協会による訴訟費用の募金で、最高裁まで争って勝訴している。
一般社団法人日本ハッカー協会
www.hacker.or.jp/
国内には、財政的に独立した専門家を抱えた監視団体がほとんどない。
逆に、ひも付きで諮問に対して都合のいい回答を示す組織は山ほどある。
例えば、インターネットの通信暗号化に関して司法機関が鍵の開示を義務化しようとしても、海外では強烈な反対運動が展開されるが、国内では、これはあまり期待できない。なんとなく「お上に逆らう」ことは、マスコミも野党も腰が引けている。
司法機関は頭が固いので、鍵を開示された場合、最大の漏洩元が自分自身になって、大変なリスクを負うことが理解できないらしい。司法機関が情報漏えいに強いという論理的根拠はない。実際、某司法機関が秘密裏に集めた内部資料を漏洩され、当事者から訴訟を起こされ敗訴している。漏洩した犯人はいまだ判明していない。(判明しても発表されないだろう)
パスワードを管理する国は中国のように、信頼されないし警戒される。
社会も何か起こると、けしからん→取り締まれ という単純な世論が形成されがち。不適切な取締りが自分に降りかかるかもしれない可能性に気づかない。
日本の場合も、あたかもカードがあればデジタル化が進むような話になっているが、実際には、元になる各種のデータが自治体や民間組織で適切にデジタル化していないことのほうに問題がある。手動で転記すること自体が問題外。
元のデータさえしっかりしていれば、データの取り違えなど起こらない。
どこまで個人データの利用を許すかは、かなりの部分、個人の選択に任せるべきで、妙な理屈で濫用するのは禍根を残すだろう。サイバー攻撃で漏洩したとき、致命的な結果にならないようなところまで考慮できているか疑問。
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