言之葉遊戯
@chauchau
第1話
ただしイケメンに限る
この言葉について皆さんはどのような意見をお持ちだろうか。様々な議論が飛び交うことを承知の上で、俺はこの言葉が世界の真理であると考えている。
不細工な顔でも慣れることは可能なため、結局の所は相性だと言う考えもあるだろう。より現実的な意見として、いや、金があるかどうかだという意見もあるだろう。
だが、やはり第一印象と言う点に於いてこの言葉は世界の真理だと思う。
だってそうだろう?
教室で隣の席になるのはブスより美少女のほうが嬉しいだろう?
たまたま電車で隣に座ったのがハゲでデブなおっさんより甘いマスクのお兄さんのほうが距離を空けないだろう?
どうしても一晩身体を重ねろと命令されれば綺麗な相手を選びたいだろう?
付き合っていく。結婚する。
長い目を見て誰かと過ごすことに於いて、顔よりも中身、もしくはステータスだという意見に反論する気はない。確かに一理あるからだ。
それでも、やはり。
こと第一印象に於いては、ただしイケメンに限る。この言葉が世界の真理であると俺は信じているのだ。
だらだらと勝手に持論を述べて申し訳ない。
ただ、許してくれないだろうか。
きっとこれは走馬灯というべきものなのだろうから。
本来であれば考えることの出来ないほどの激痛が身体を支配しているはずなのに、俺はどうしてもこんなことを考えてしまうのだ。
自分でも情けないと思うのだが、最期なんだ。どうか、どうか許して欲しい。
とはいえ、いったい俺は誰に許しを請うているのかも分からない。
そんなことを考えながら、俺は、
自分の腹を貫く巨大な槍をただぼんやりと眺めていた。
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