第191話 潜入! ダグレスト王国!
翌朝、待ち合わせした時間に食堂に降りて、合流してから朝食を取り、早目に宿を後にして出立する。
当初の予定通り、広大な領域内を突っ切って行くわけだが、入り口から爆走して30分。
俺は……俺達は、激しく後悔していた。
「死ぬ死ぬシヌシヌゥゥゥ!! ムリムリムリぃぃぃいいい!!」
「泣き言を言ってんじゃ――ぶごあぁぁぁ!!」
「か、神喰さぁぁぁん!!」
八木に発破をかけようとした神喰が、宙を舞った。
何故、こんな事になっているのか?
実は少しだけ、欲をかいてしまったのだ。
爆走しながら順調に進んでいたのだが、偶然、かなりレア度の高い魔物を見つけてしまったのだ。
魔物でありながら、超高級食材としても有名。
その魔物の名は、マリタギと言うキノコ型の魔物。
二足歩行型で戦闘能力も低くいのだが、とにかく見つからない事で有名な、捕獲難易度だけは高いキノコ型魔物。
もし、新人冒険者が捕獲に成功すれば、Bランク冒険者の装備一式をパーティー全員分新調しても、余裕で仕事を回せる位に高額なのだ。
そして、肝心の味なのだが、前世のキノコに照らし合わせると、芳醇なマツタケの香りに加え、エリンギの食感と濃厚なキノコの味と言う話だ。
本当に市場に出回らないので、俺も噂でしか知らない、幻のキノコ型魔物だったりする。
金はともかく、家族のお土産としてはこれ以上の物はないだろうと考え、捕獲に向かったわけなのだが……。
「くっそ、見失った! おら神喰! いつまで死んだふりしてやがる!」
「あー、いってぇ。そもそも、お前がわりぃんだろうが!!」
「グダグダ言うな! みっともない。八木! 泣き言を言う暇がるなら、手と足を動かせ!」
追跡に夢中になって、魔物の縄張りの中枢に突入してしまったのだ。
その数、およそ二千。
そして、神喰が宙を舞って、起き上がった状況が今である。
コングトレントにデ◯プシー・◯ールからのアッパーを決められて、ちょっとだけ痙攣していたのだが、どうにか戦線復帰して、いつもの言い合いに至った訳だ。
しかしよくもまぁ、
領主は一体、何をやっているのだろうか?
「今、そんな事はどうでも良いだろうが!」
「そうっすよ! マジでどうするんっすか!?」
「――仕方ない。殲滅するぞ!」
「とんだタイムロスだな」
「うっさいわ!」
と言う訳で、小1時間かけて殲滅しました。
取り分は3等分です。
ただ、これだけのタイムロスがあっても、迂回するより早いのだから、この領域が如何に広大か分かって貰えると思う。
それとマリタギだが、あの後は見つからなかった。
生息分布がマジで不明な魔物なので、次見つけたら、本気で捕獲しよう。
(しっかし……マリタギの逃亡速度、えぐかったな。時速300キロで追い付けんとは……。)
ともあれ、その後も魔物の群れを殲滅しながら進み、昼過ぎには領域を抜ける事に成功した。
その後は、昨日と同じ様に街道を少し外れて爆走し、夕方には国境近くの村に到着できた。
「どうにか、予定通りに到着できたな」
「どの口が――なんでもないです!」
「マモノコワイマモノコワイマモノコワイ……ラフィサンモコワイ……」
「八木ぃ、現実に戻ってこぉい」
八木、精神的に相当追い詰められている模様。
ブツブツ同じことを繰り返して言っていて、ちょっと怖いんだが……。
「で、どうすんだ?」
「宿は探すとして、こっから先は八木の説明待ちなんだが」
「説明待ちって、その本人が壊れてるっぽいんだが?」
「宿に着いたら、精神安定の治癒魔法だな」
こうして、宿を探した後、八木に魔法をかけて休ませた。
夕食までには回復してくれたので、食事を取りながら説明を聞く事にする。
「で、明日はいよいよなんだが、問題がいくつかある」
「あー、あれっすか」
「あん? 分かるように言ってくれ」
神喰の言葉に二人で説明に入る。
大抵の事は知っている神喰だが、一部の知識と細かい歴史だけは覚える気が全く無いので、毎回説明しないといけない。
……強制的に勉強させっかな。
「とりま、一つ目は金だ」
「あん? 資金に余裕はあるんだろ?」
「ランシェス内はな。だが、ダグレスト相手だと、ちょっと事情が変わる」
ランシェスとダグレスト。
この二国の因縁は相当深い。
歴史書を紐解いても分かるように、建国当初から非常に仲が悪いのだ。
その仲の悪さが、互いの国の資産にまで影響し合ったことがあると、歴史の授業でも割と重要と言わんばかりの講義がされたほどだ。
そして、当時の為政者達はとある条件だけは守ろう――と、条約を締結した。
その名も――国家間資産保護条約。
当時の二国は、徹底的に相手国の金銭価値を自国内で貶めたのだが、そうなると自国の資産が相手国から不当な扱いで他国に流出し続け、国家の屋台骨を脅かす事態にまで発展した。
今の状態だと共倒れすると判断した二国は、唯一の国家間条約の締結に足並みを揃えた訳なのだが、あくまでも他国への流出を避ける為の条約であり、根本的解決には至っていない。
ただ、条約によって国家運営の換金所が設置されたおかげで、他国への不当流出は避けられているだけなのが現状だ。
「で、何が問題なんだ?」
「……換金所が何処にあるのか知らない」
「はぁ?」
神喰の反応は尤もだと、誰もが思うだろうが、ちょっと考えて欲しい。
東側国家には各所に渡って来訪している俺だが、西側国家の来訪は皇国だけにしか行ってない。
しかも、ダグレストを避けて来訪しているので、換金所に無縁だったのだ。
更に言えば、ランシェス西側のダグレストに近い地域には、初めて来たとも言える。
ぶっちゃけ、情報が皆無なのだ。
唯一知っている情報と言えば、国境警備を兼ねている辺境伯が誰か――と言う事くらいしか知らない。
一つ疑念があるとすれば、王家側が敢えて俺に情報を流さないようにしていたのでは?――と、思う所だろうか。
多分、考え過ぎだとは思うんだが。
「とまぁ、そう言う訳で、この村に換金所があれば良いんだが」
「ありますよ?」
八木の一言に、バッ!と振り向く俺と神喰。
「あれ? 言ってませんでしたっけ? ランシェスもそうですけど、ダグレストも、王都から離れた場所にしか換金所はないですよ」
「初耳なんだが?」
「まぁ、あれだな。金の問題は解決出来そうって事か」
何ともあっけなく解決してしまった。
ただ、俺が換金所に向かうと、もし間者がいた場合に、余計な情報を与えかねない。
なので、纏まった金を神喰に渡して、八木から聞いた換金所に両替させに行く。
俺が換金所に行って換金すると、ダグレスト国内に入る――と宣言しているようなものだし。
国境を超える時に俺の姿が見えなければ、多少の欺瞞工作にもなるだろうからな。
「金に関しては解決だな。で、二つ目なんだが、移動の問題」
「今まで通り、ぶっ飛ばして行けば良いだろう?」
神喰の言葉に対する返答は、腕を交差させて不正解だと告げる。
八木も俺を支持しており、うんうんと頷いていた。
神喰、ちょっと不機嫌になる。
「説明しろや」
「あ?」
「説明して下さい」
俺のマジギレしそうな声に、丁寧な言葉に直してから、説明を求める神喰。
人に当たる様な言葉遣いは駄目だと、一言で分からせた。
尤も、他の者が聞けば、特大ブーメランだろ!と言うかもしれないが、それはそれ。
気を取り直して説明に入る。
「あのな、ダグレスト国内に潜入するのに、今まで通りの爆走だったら、変装していても俺だと告げてるようなもんだろうが」
「あの速度で走れる冒険者なんて、ほんの一握りっすからねぇ」
「警戒し過ぎじゃねぇのか?」
神喰の言いたい事も分かるが、念には念を入れておきたい。
仮に身バレするにしても、ある程度は時間が稼げるはず。
憶測だけでは、動かせる人数にも制限が出るだろうし。
「最短ルートは通るが、あくまでも普通の冒険者並みの速度だな」
「あ、だからランシェス国内は急いだんっすね」
「そうだ。全部で10日位の日程だが、ギリギリの配分だと思う」
「……こっちは問題無いと思うっす。ただ、帰りはどうするんっすか?」
「最悪はゲートかな?」
潜入調査で、どれだけの情報が集められるかわからない。
なので、帰りの道程で危険が少ないならば、情報を集めながら帰る手も取るつもりだと伝える。
「大体は分かったし、良いんだけどよ……この村に間者がいるって言うんなら、今の時点で詰みじゃねぇか?」
「あれ? 気付いてないのか?」
「俺、全開で気配操作しまくって隠形してるっすよ」
「え? マジで?」
八木の言葉に驚いている神喰。
こいつ、マジで気付いていなかったのか。
「この村に到着する少し前から、段階的に気配を消していたぞ」
「そうっすね。あ、二人は一緒にいたので、あまり効いてないのかもしれないっすね」
「なるほど? あ、だからか」
神喰、何やら納得した模様。
まぁ、話が早くて助かるがな。
「明日、宿から出る時はバラバラで出るぞ。一応、変装の指輪は着けて出てくれ。合流場所は……」
明日の段取りを決めた後、3人で宿へ戻り、明日に備えて就寝した。
色々と画策しているので、今回は一人ずつ部屋を取っている。
出来る限りの欺瞞工作だが、効果はあると思いたい。
……無かったら、
そして一夜明け、昨日決めた段取り通りに動いて、各々、村を出立した。
待ち合わせは、国境砦1キロ前。
1時間後には揃い、検問を突破した。
「上手く行くもんだなぁ……」
「行くもんっすねぇ……」
「行き過ぎて怖いけどな」
三者三様に感想を言い合っているのだが、その理由はあの村を出た後の出来事からだった。
最後に八木が出発する段取りだったのだが、村を出る直前で人の気配が数人分、慌ただしくなったらしい。
やはりと言うか、間者がいたようなのだが、俺と神喰の姿が見えなくなって、急いで捜索に移ったそうだ。
尤も、その時点で手遅れであり、探している間に検問を突破。
無事にダグレスト王国内に入った。
「あの分だと、後数時間は足止め出来るっすね」
「転移系の使い手は?」
「流石に貴重な人材っすからね。バレたら即終了みたいな任務には使われないと思うっすが……」
「可能性はあるのか。とは言え、速度は上げられないしなぁ」
「つうかよ。なんで俺が御者なんだ?」
「視認範囲が広いだろ? 一応、魔法での索敵は俺がやってるが、目視も欲しいからな」
「八木は?」
「俺と情報のすり合わせ。調査も兼ねてるっての、忘れてないよな?」
「わぁーった。大人しく、御者と目視に専念しとくわ」
ダグレスト王国内に入った俺達は、最初の村で馬と馬車を購入して進んでいた。
俺達の設定は、皇国へ向かう途中の冒険者。
わざわざ冬に向かっている理由は、高額な指名依頼が入り、年内最後の仕事にする為と言う設定だ。
その道中で、ダグレストに寄ったと言う事にする。
だから、数日滞在していてもおかしくはない状況にもしている。
ダグレスト王都内で、旅程半分の買い出しと言う設定も使えるからな。
ただ、どんなに滞在できても3日くらいが限界だろうが。
短い期間で、どれだけ情報収集出来るか。
そして、如何にスムーズに救出と脱出が出来るかだろう。
「さて、馬車での移動だが、何も無ければ1週間ほどで王都だっけ?」
「ですね。本当に、何も無ければですけど……」
「流石に、マリタギを見つけても見逃すって。あれを捕まえるのなら、俺も少しだけマジになるしかないし」
「一発でバレるので、絶対に見逃してくださいっすね!」
前科があるからなのか、八木から再三注意される。
流石に俺も弁えるわ!……やらかしてるから、口には出さんけど。
とまぁ、半分冗談めいた会話はここまで。
翌日以降からは、立ち寄った村や街で怪しまれない程度の情報収集を行い、宿に一泊してから翌朝に出立して、馬車の中で情報の精査と纏めを繰り返しながら進んで行くのだが……。
「うーん……」
「なんというか……」
「変わり映えしない情報ばかりだよなぁ……」
八木と二人で、聞いた情報を紙に纏めて精査しているのだが、ランシェスで噂されているくらいの情報しかなかった。
ただ、気になる情報もあったりはするのだが……。
「魔物の気配の増加に伴う間引きねぇ……」
「行ったは良いけど、何故か一体も見つけられなかったって話っすよね」
この世界には、魔物の領域が数えるのも馬鹿らしいくらいある。
各国とも、小さい領域は数知れずあり、広大な領域を持つ領主も珍しい訳ではない。
そして、魔物が増加傾向にあると報告を受けて領域へと行ったが、ハズレだったと言う話も珍しい訳でもない。
じゃあ何故、間引きに関する情報が気になっているのかと言う訳だが……。
「間引きを行った領地全てが、一体も見つけられないとか変じゃないか?」
「全員ハズレを引いたとか?」
「可能性が0じゃないから、判断しにくいんだよなぁ」
現在、ダグレストの領地を1日1つのペースで立ち寄って、情報収集しているのだが、既に1週間が経過している。
予想以上にダグレストの王都は遠く、道程は3分の2と言った所だろうか?
その中で、領域のあった領地は5つ。
内2つはとても小さな領域で、残りが中くらいの領域なのだが、その全てが同じ情報と言う訳なのだ。
比較対象が5つしかないので、判断に困ると言うのが現状だ。
「後、どれくらいの領地を通るんだ?」
「3,4つって感じっすかね。ただ、その内の一つは直轄地ですけど」
「領域は?」
「2つっすね。小さい領域が一つと割と大きめが一つ」
「残り2つで比較するしか無いかぁ。因みに次は?」
「大きめっすね」
その後も情報の精査と纏めをしていき、4日後、ダグレスト王都の近くへと、ようやく着いた。
「長かったなぁ……」
「長かったっすねぇ……」
「ほんと、長かったわ……」
三者三様に、これまでの感想を言うが、全員が同じ感想なのにはちょっと笑う。
とは言え、波乱が何もなく、のんびりした旅と変わらないので、長いって感想しか出なかったのだ。
「長かったのは良いとして、こっちもなぁ……」
「まさか、最後で異常なしを引くとは思わなかったっす」
領域内の魔物の増加に関する情報なのだが、最後の小さい領域には兆候すらなく、平穏そのものだった。
特に変わった情報も無く、唯一同じなのは、微増税と軍備増強の話のみ。
俺達の考えは、木っ端微塵に砕かれた。
「魔物を操る能力とか、あると思ったんだけどなぁ……」
「軍だけじゃ足りないから、魔物をってか? 確かに、俺の欠片なら可能だが、
「完全じゃないのか?」
「限界値ってのはあるさ。操るにしても、隠すにしてもな」
「どのくらいだ?」
「隠すことに関しては、領域の大きさ次第。操る能力に関しても個人次第だが、複数の領域に隠すとなると、現実的じゃねぇな。俺ならやんねぇ」
「理由は?」
「それだけの力があるなら、個人で喧嘩売った方がつえぇからな。わざわざ弱体化する意味が分かんねぇ」
「弱体化は確実にするのか?」
「するな。リソースを割くんだから、間違いなく弱体化は起こる。ただ、一つだけ回避する方法が無い訳でもない」
神喰の話によると、一つの力ではなく、複数の力で行えば、割かれるリソースは軽減されるらしい。
散らばった神喰の欠片だが、大きい欠片がこの地方にあるのは感じているそうだが、小さい欠片も無数にあるらしく、感知を阻害しているそうだ。
その小さな欠片が、大きな欠片に統合された後、再分割して操る力としているなら、弱体化は起こっていない可能性もあるらしい。
ただ、その統合を神喰かそれに近い者以外が行えるかという疑問が残るそうで、結論としてはあり得ないだろうと言う話だった。
「仮定としては可能な話なのか。一応、纏めに入れておくか」
「まずあり得ねぇだろうがな」
「0じゃあないんだろ? なら、最悪の想定はしておくべきだろう」
結論をまとめた後、俺達は馬車を降りる。
この先からは、次の作戦に移るからな。
「で、どうするんっすか?」
「神喰」
「あん?」
「俺の権限で、一部能力を解放する。馬車を頼む」
「空間収納か?」
「ああ」
空間収納であっても、本来は生きた物を入れる事は出来ないのだが、原初の使徒のみ、原初の権限があれば、その縛りを解くことが可能なのだ。
神喰にだけ与えてなかったのだが、次の作戦の最終部分では、動いて貰う必要がある。
後、まぁ良いかなって感じもある。
今後、敵に回る事は無さそうなので、一部だけだが解禁する事にしたのだ。
こんなんでも、ヴェルグの生みの親だしな。
「最後、ひでぇこと考えてねぇか?」
「気のせいだろ」
そう言ってから、縛りを解く。
確認した神喰は、空間収納に馬車と馬を入れた。
「で、この後は?」
「王都に入る検問を突破して、宿の確保。そこから先だが、八木と俺は行動を共にする予定だ」
「八木もか? 俺は何をすりゃあ良い?」
「怪しまれない様に、情報収集を頼む。それと、最終日には野宿して貰うから」
「俺だけ?」
「お前だけ」
ちょっとだけ静まり返った空気。
そして、いきなり放たれる、神喰の上段回し蹴り。
俺の顏めがけて放たれた蹴りは、当たることなく空を切った。
そして響き渡る、神喰の絶叫。
「ぎぃゃぁぁぁぁぁあああああ!!」
「いきなり蹴りだすからだろうが!」
神喰のトラウマである、ペインプリズン極大――を発動して、お仕置きを敢行した。
全く、何が不満だと言うのか。
結界を解いた後、神喰を問い詰める。
「だってよ……俺だけ野宿で、お前らは布団で寝るんだろ? 美味いもんも食ってさ!」
「子供か!」
額に手を置いて呆れ、しょうもないと切り捨てた。
「最終日は救出日なの! 俺らは宿を取った状態にはしてるけど、残業確定なの! わかったか馬鹿野郎!」
「美味いもんは?」
「役得」
「やっぱ喰うんじゃねぇか! 俺と代われ!」
「二人は、お前の顏とか知らんだろうが! 状況的にしょうがないんだよ!」
「ちっくしょぉぉぉぉぉ!!」
神喰の絶叫再び。
だがな、納得してもらわんといかんのだよ。
だって、あくまでも上手くいっていたらの話だからな。
「状況が変化したら、野宿は無くなるかもな」
「(わざと変化……)」
「わ・ざ・と、変化させようとしたら、後でどうなるか分かってるよな?」
思いっきり良い笑顔で、神喰に詰め寄る。
何をされるのか理解した様で、高速で首を縦に振る神喰。
素直で大変宜しい。
こうして、ちょっとした漫才っぽい事はあったが、俺達は無事に検問を突破して、王都に入って宿を取った。
残り時間は僅かなので、さっさと情報取集して、救出してしまおう。
(この二人、なんだかんだで仲が良い様な気がする)
八木は漫才を見ながら、そう思ったのだった。
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