元ステータスAll1の羊使いがマッドサイエンティストに転職したら人生変わった。
ら・けけ
第1話 世界破滅まで後5日らしい。
「………って、やべぇ。やべぇ、ヤベェことになってんぞぉおおぉ!」
7時半のアラームで目が覚めて、いつも通りに歯を磨いて時刻を確認しようと、テレビをつけた俺は初めて目の前まで迫っている危機に気がついた。
「あっ!いまビルがっ……あっ…キャァぁぁぁあ!」
「逃げろ!あいつヤバイぞ!あ、俺死んだわ…うわぁあぁあぁ!」
「やめてよーん!ヤッダン!モー!そこわダメよーん!ぎゃぁぁぁあ!」
どこから現れたのか見当もつかない様な、鳥の様な形をした、機械が街を襲っている。
生放送はもう滅茶苦茶な有様で赤と建物の残骸で画面が満たされている。
「あ、あれは…」
俺ん家の近くの大きい公園が映っている。
今見ている地獄の様な光景の中に自分の家が入り込む様で怖くなり、テレビを見ていられなかった。
今気がついたが、羊たちの声がしない。
俺は必死で羊たちに謝るよりも先に自分の命を願った。
「あー!さっきの羊たちが俺の生贄ってことで!俺は食べないでくれ。あいつらとちがって旨くないから、俺。」
などとアホな独り言をつぶやいていると、テレビがいきなり破裂したかと思うと、羊の頭蓋骨が紫の光を放ち、物凄いスピードで俺の前に姿を現した。
「オマエ。クズだナ。」
初対面でなんだよこいつ。いきなりクズって言ってきやがった。
「あ?てめーこそなんだよ。」
「ミてワからないノか。ヒツじのズがいコツだ。」
…話している。今…話したよな?
ひ、羊の頭蓋骨が喋ってやがる!
「な、なんだよ俺に用でもあんのかよ。」
正直ビビリながら、目の前のバケモンに話しかけている。
「いや。ベツにwただ、コウショウをウケてモライにキタだけダ。」
「何が目的だ!俺は今大切な羊を殺されたんだよ。もう、織物も、ミルクを飲むこともできねえんだ!」
「イま!ソンナこと、カンガえてんのかヨ!セカイをスクえるノは、オマエしかイなそうだぞ」
…オマエ、クズだかラ、マッドサイエンティストにテンショクしろ…
「テレビと壁弁償してくれるならな。」
紫の光と共に俺は、薄暗い気味の悪い蝋燭が立てられた部屋に飛ばされた。
…ココは、500ネんくらイ前の世界。オマエがさきほド、イタばしョだ ベンショウはセカイをスクってかラだ…
こうして厄介者の羊の頭蓋骨と、俺、羊使いカズトの物語が始まる。
元ステータスAll1の羊使いがマッドサイエンティストに転職したら人生変わった。 ら・けけ @lakeke
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