幻獣図鑑「レイヴン」

ワタリガラス。

光沢のある黒の体躯が特徴的な大型の鳥。

主に小型の昆虫やネズミ、穀物や種実類(しゅじつるい)、不幸にも息絶えた冒険者たちの死肉を食す。

ルクス大公国の権威を象徴する鳥で、魔除けのペンダント、クエスト完了の印章で馴染みが深いだろう。

しかし、冒険先で出会ったレイヴンには、えらく手を焼いた。

彼らの住処の近くで争おうとすると、知能がよろしくないが対処に困る巨人(私が確認できたのは、トロールにスプリガンの二種)を呼び寄せ、私たちを追い払おうと画策するからだ。

いつの時代も真に恐ろしいのは、力持ちの愚か者ではなく、それを操る知恵者である。


ヘンリー・W・エヴァンス著『幻獣図鑑』より

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