愛じゃどうにも出来ない恋があるんです

@rii0815

第1話

私の名前はゆうり。高校二年生の16歳。

見た目はボーイッシュ。男の子にはなりたいと思ったことないけど、可愛いよりもかっこいいが嬉しい。彼氏よりも彼女が欲しい。性同一性障害よりも難しい私のセクシュアリティ。

男になりたいわけではないけどかっこよくなりたかっ

た。

私たちの学年には女の子で性同一性障害の子がいた。

その子はりな。すごくかっこいい子だった

背は低いけど鼻も高くて輪郭もシュッとしてて趣味筋トレって感じで細いのに腕も足も全部筋肉で、洋服をめくるとシックスパック。それにはもう開いた口が塞がらない。

サッカーも野球もバスケもやらせばなんでもすんなりこなす完璧なイケメンだった。それと比べてインドアな私の特技は絵ぐらいだった。何に関しても自分が劣っているから悔しかった。


そんな私には気になる子がいた。


一つ年下のりさという子だった。

いつも3人組で歩いているヒラヒラなワンピースを着た女の子。だいたい彼女のポジションは3人の中で真ん中みたいだ。黒髪のショートで鼻が高く目も大きくてだけど瞳は透き通った茶色で三白眼。美人の枠に入る彼女。そんなルックスだからもちろん狙っているやつが多かった。


なにも接点もない私たち。なぜ、私が彼女に興味を持ったかと言うと…。


2年に昇級したばかりのお昼時間

いつものように親友のゆいが話しかけてきた


「ゆうりお昼ご飯買いに行こう」


「あぁ、いいよ。」


2人でお昼ご飯を買うために学校から出て近くのコンビニ向かった

そんな時。前から3人組の女の子達が歩いてきた。

普段の私なら興味も何も持たない。だけどこの日は違った。なんと、真ん中のワンピースを着たお嬢様のような黒髪ショートの女の子が私とすれ違う瞬間に私の顔を見ながら変顔して通り過ぎていったのだ。


「…ゆい…今の見た?」


「?なにが?」


「お嬢様も変顔するんだ…」


「何言ってんの?あんた」


ポカーンとした私の顔の目の前に手をぶんぶんやり

「生きてる?おーい」と確認するゆい


「なんなんだ一体…」


私は後ろを振り返りその3人の後ろ姿を見つめた。




しばらくはそんな日が続いて彼女は私とすれ違うたび変顔してきた


「なんなのかなー。ゆい、変顔する心理は?」


「えー。やっぱ笑わせたいとかじゃない?」


「そうなのかな…」


あれ以降、私の頭から彼女が離れることがなかった。ずーっと頭の中あの子の事だけ。


あのこと言葉を交わしたいという欲はあったものの

自分から声をかけることはなかなか出来なかった

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