イングレンスの歩き方 第1章2節あらすじ編

 63~70話 『応援』


 アーサーの中に応援という行為に対しての興味が生まれた。それは秘密をも知っている友人ルシュドが、研鑽大会という催しに出場するからだ。


 彼はこの経験を通して、応援は人に力を与えることを実感した。同時に、応援だけではどうにもならない事態もまた存在することを知った。




 71~77話 『帝国建国祭』


 祭の喧騒だけが人々に好まれ本来の意味が忘れ去られる、というのは古今東西よくある話。エリスとアーサーも帝国の建国を祝う祭に参加したが、別に千年も続いた古代の国に思いを馳せようなんてことは微塵も思っていないのだ。


 ただパレードを見て、屋台を巡って、お腹も満足できればそれでいい。エリスとアーサーに限らず多くの者がそう思っているが、そうとも言ってられない世界もまたあるのが事実。


 諸国の権力者が招かれる祝宴にて、王侯貴族と呼ばれる面々は相手の出方を窺う。表情を綻ばせれば隙となる。そのような状況で豪快に笑っているのは、『三騎士勢力』と呼ばれる、国家規模の勢力に属する者達だけであった。




 78~96話 『はじめての学園祭』


 建国祭は王室が主体の、言ってしまえば大人が取り仕切る大人の事情の祭。それに対して学園祭は、生徒が取り仕切る生徒の為の祭。生徒目線ではどちらがより楽しいかというと、割と自由にできる後者なのは明白だ。


 エリスとアーサーはこの祭で、様々な経験をした。特に印象的だったのは、『フェンサリルの姫君』の一舞台。演じている先輩達の資質か、或いは物語そのものの魅力か。とにかくそれは二人を惹き付け、そして満足させるに至った。


 また、料理部としての販売活動も経験し、調理や接客の腕前もそれとなく上昇。得るものが多かった祭であった。




 97~107話 『秋空深く出歩け少年』


 十一月は秋、実り多い食欲の秋ということで執り行われるは収穫祭。ミネストローネの味わいは少年少女の心を満たし、きな臭い雰囲気も湯気で包み込む。


 それすらも終わってしまうと、いよいよもってアルブリアは郷愁に囚われ日々の目的を見失う。故にアーサーは外を出歩く。


 あの夏に見つけた神秘とでも言おうか。ヴィクトールを招きおまけのハンスと共に研究は進む。一回だけで全て判明するわけではないのは百も承知。本人は無意識だが、好奇心は人を揺り動かす。




 108話~131話 『疾走! アルーイン旅行』


 交友関係がそこそこ広がっていれば、旅行の誘いなんてものも必然的に入ってこようもの。好奇心に身を委ねたエリスとアーサーは、リーシャに誘われ北国イズエルトまでの小旅行に出かける。


 旅行先では様々なドラマがあるのが常だが、実際そうであった。あまりにもありすぎて一日旅行が伸びる程にはあった。ダニエルとアントニーはこの経験を胸に悔い改め、エリスとアーサー達は傭兵という名の世界を実感し、美しくも厳しい氷華の冬を知った。


 されど白雪に覆われる世界の裏で、黒い陰謀が蠢いていることには誰も気付かない。




 132~138話 『冬に集いし十人の少年少女』


 運命に導かれるように少年少女は出会う。エリスとアーサー、少女と騎士王という共通の友達を間に挟んで、十人全員が交友関係を育む。


 そしてこれにより、この物語の主要人物が全員集ったということは、春に旅立った桜の花びらだけが知っている。

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