春雷

稲光颯太/ライト

第1話

 春でした。大学一年生の三月。身体を包む春陽。舞い揺れる桜の花弁。それとは対照的に桜の樹の枝で鮮やかに咲き誇る花弁の数々。

 約一年前、合格通知を手にしたわたしは輝く夜の星々が隣のベンチに腰掛けて肩を組んできている様な気分でした。それからあれよあれよという間に月日は過ぎ去っていって大学生活を通過したのですが、これといった深い思い出が出来るでもなく、ガールフレンドが出来ることもなく、勉学も程々で良く働かなくても良い大学生の特権を消費し続けるだけの日々を過ごしていました。数ヶ月前に夢見ていた星は既に何処かに行ってしまい、わたしは何にもなれない何かであり続けました。そんなわたしを包む世界は全てが暖かく、しかし灰色に見えてしまうような景色なのでした。思春期を僅かに拗らせていた当時のわたしは非常に心が不安定で、世界を美しく眺める事など不可能だったのです。

 わたしはその日、友人のI君と待ち合わせをしていました。大学構内の一番大きな桜の樹の下、横長のベンチにわたしは腰掛けて彼を待っていました。とある事情があり、約束の時刻の三十分程前からわたしはそのベンチに座っており、待ち時間を暇することなく過ごす為に文庫本を読んでおりました。

 当時のわたしは、祖母が手作りしてくれた栞(押し花で作った物でした)を使っていたのですが、悪戯な春風が優しく吹き流れてゆき、その栞をやや遠くまで飛ばしていってしまったのです。ベンチに座ったままでは手が届かない距離まで飛んでいった栞を、鉛のように重い溜息を漏らしながらわたしは立ち上がり、拾いに行くことにしました。

 当時のわたしの心は灰色でしたが、それ故にとても静かなのでした。つまりは退屈な日常、当たり障りの無い消費するだけの毎日。そんなものに疲れて大人しさばかりが育っていたのでしょう。世界には期待も希望もありませんでした。I君とは観劇に向かう予定でしたが、そんな予定を立てたのも刺激を求めてのものだったとすれば合点がいきます。そんなわたしが栞を落としたのは神の計いの様なものであったのかもしれません。

 栞の近くまで行き身を屈めようとしたその時、遥かに蒼く幻想的な気配を感じました。それがどういうものなのか説明するのは難しいのです。なにしろ初めての感覚で、感じたそのままを言葉にするしか出来ません。どうにか説明するのならば、広大な草原で蒼い空を眺めるという情景が目に浮かんだ、そんなところです。ますます分かり難いかもしれない。

 まずわたしの目に映ったのは、光るように白く、春という景色を反射するかのような細い指でした。その指はわたしの栞を丁寧に拾い上げ、ただ一言、「どうぞ」と言葉を発したのです。

 きっとその瞬間だったのでしょう、わたしの閑静な心に嵐が訪れたのは。ゆっくりと顔を上げわたしを見たその眼は空を映し蒼く、揺れながら踊るその髪の黒が、他のどれより嫋やかでした。わたしは栞を受け取ることもせず、俄に鈍く輝きだした世界と、その中心にいるあなたを見つめてしまいました。

 この人が俗に言う、「運命の人」。陳腐な表現になってしまうがそうなのかもしれないと、わたしは強くそう思いました。理屈ではなく感情なのです。落雷にあったかのように身動きが取れなくなったわたしを見て、あなたは少し首を傾げ、その様子を見てようやくわたしは栞を受け取りました。初めての感情、えも言えぬ美しさ。そんなものを前にしたわたしは酷く狼狽して赤面してしまったのです。「ありがとう」とただ短く言えば済んだものの、痺れたように喉が痛んでしまいまともな声も出せずに急いでその場を去ってしまいました。

 友人のI君にはすぐに観劇を中止しようと連絡し、訳を訊こうとする彼や赤く灯る信号、三週間ぶりに出会った同期の女の子等をとめどなく無視し、下宿のわたしの部屋の布団に包まって心に訪れた嵐が去るのを待とうとしました。これは、正体不明の心の騒めきに驚いて起こした奇行でしたが、今のわたしでも同じような事をしでかしたに違いないと思います。必死の抵抗を続けた事は神にも仏にも誓いますが、どうしても嵐は治らず、急激に疲れていく心をどうすることもできません。わたしは次第に考える事を止め、その後は只管流れる不可思議な涙の暖かさを、枕元で感じつつ眠りに就いたのでした。


 翌朝、目を覚ましたわたしは不思議な現象に遭いました。目に映る無機物という無機物が全て、何かの意志を持った生き物のような気がしてならなくなったのです。無論それは気の所為で、すぐにわたしもその事を理解したのですが、昨日までは雑に扱っていた靴でさえも何処か可愛らしく、確かに靴紐を結び直して家を出たのでした。

 歩いて大学へと向かう途中、漠然とした予感がしたのをわたしは覚えています。今日も大学へ行けばあなたと会える。あなたのあの、春の中で揺蕩うような影を眺め、次こそ言葉を交わし合うことが出来ると曇りなく信じていたのです。

 何故わたしはあの一瞬のみの関わりのあなたにあれ程強く惹きつけられたのか。ちょっと不思議なようにも思えますが、そもそも美しさとは一瞬で、一瞬であるからこそ美しさなのだとよく考えます。刹那的なものに人は魅力を感じる。これはわたしが今までの人生で得た、一等確実な哲学だと自負しています。すなわちわたしは、一瞬だけのあなたを目にすることが出来たから心を奪われてしまったのです。

 歩いたおかげで身体がほんのりと火照ってきた頃、春の花咲く我が大学へ辿り着き、果たしてわたしはその日もあなたと会うことが出来たのです。桜並木の真ん中を歩いて来るあなたをわたしは立ち止まって待ちました。あなたもわたしの姿を認めていた上でゆっくりと歩いて来ていました。

 わたしの目の前に立ち、時間を掛けて目を合わせる事の出来る状態となったあなたは、印象として残っていた姿よりも遥かに小さく、消えてしまいそうな程に白い肌で包まれた身体は、触れると今にも壊れてしまいそうで。その脆さ、儚さは、美しさとの紙一重であるのでした。

 こうして、わたしは初めてあなたと言葉を交わしたのです。一度だけしか聴いた事のなかったあなたの声はわたしの理想が現実に現れたかの様でした。他人がどの様に思うのかは分かりませんが、わたしにとっての最も馴染む声、それは母よりもはっきりとしたもので悲しくなる程です。嵐の隙間に暖かさが、灰色に侵された心に満ちていくのを感じました。

「あなたと初めてあった気がしなくて。わたし、何処かで待っていた気がするの」

 わたし達の会話の中で、あなたが最初に発した言葉はそれでした。それはまるで、心臓に雷が走ったかと錯覚するような言葉でした。わたしの運命と称していた想いを字引ではこう書かれているのではないか、そんなことを思わされた程です。わたしとあなたの心が交わった、最初にして最大の瞬間ではなかったかと思います。

 その日は通常通りに講義が行われている日でしたが、わたしもあなたも御構い無しに大学を出ていきました。とても自然な流れの中での事です。講義だけは真面目に出席していたわたしにとっては初めてのサボりで、そんな言葉で表すには勿体無いような春の逃避行でした。

 わたし達は気の向くままの会話を弾ませながら街へ出ました。歩いている間、あなたが小さく笑う度に着ていたワンピースの裾が左右に揺れるのを見て、春に咲いた花のようだと思わざるを得なかった事を覚えています。街へ行ったわたし達は何をする訳でもなく、道行く人々を見ては何かを囁き合ったり、歩道を我が物顔で闊歩していた野良猫をあなたが追いかけるものだから、その後をわたしが追って危うく街に迷いそうになったりしていました。そんなわたし達二人の様子はやはり初対面同然の若者同士ではなく、幼い頃から連れ合った二人のように見えていただろうと思います。渦中にいるわたしも何度かこの不思議を疑う気分になりかけましたが、今いる幸福とあなたの声がわたしを呼び戻してくれたのです。

 暫く歩いた後にわたし達は大学近くの河原を歩いていました。すぐ右手には細やかな音を立てて流れる川があり、左手の上の方には桜並木と化した河川敷が見えていました。そんな心落ち着くような景色も、あなたには程遠い魅力しか持ち得なかったとわたしは思います。

 そんな風に思った事をわたしはあなたに伝えるべきか迷いました。女性と話すのには慣れていなかった当時、どれだけ波長が合うと感じていたあなたにもわたしは慎重に接しようと構えていたのです。そこでわたしは、発想を転換させてみたのです。わたしではなくあなたには今の景色がどう映るのか尋ねてみました。

 数秒間戸惑いを見せた後、あなたの答えはありませんでした。事実、あなたには分からない景色の見え方がしていたそうです。わたしと同じように世界が灰色に見えていたというあなたは(このことが本当だったのか、今もわたしは疑ってしまう時があります)、急に変化を見せ始めた世界の景色がどう見えているのか言語に表すことが出来ないと言いました。

「でも、今はなんか嬉しい気分だよ。多分、こういう状態の景色を美しいって言うんだろうね。世界が美しく見える気がする」

 そう言って微笑するあなたは、やはり何よりも美しい景色そのものでした。心の嵐が、大人しくなっていた事を恥じるかのように、また騒めいたのです。


 あなたは本当に不思議な人でした。今まで何をしてきたのか。今は何をしているのか想像すらつきません。確かに日本人として生きてきた筈なのに、俗物とは一切縁をなさないのではないかと思わされます。そもそも本当に存在する人間なのかも怪しくなるのです。寂しさと退屈さに塗れた大学生が渇望の果てに見た夢であったのかもしれません。夢だと言われても信じませんが。

 俗世の汚れやつまらない悩み、碌でもない不条理なんか寄せ付けず、ただ唯一形容するなら仙女です。全てを見透かしてるかの様な表情を時折見せるくせに、普段は子どもの様に無邪気な顔をしてわたしのような小者と関わりあうのです。やることなすこと真意を測りかねます。実は人間ではないのだと言われた方が納得出来ます。私は君が作り上げた幻なんだよ、と。とは言え現実であってほしいと思います。

 日本人離れした顔をしていたかと言われると、そうだとは言い切れません。かと言って本当に日本人なのかと言われるとそうだとも言い切れません。何よりも実体感のなさが的確にあなたを表していました。映画や讀物の世界の住人と言ったら一番しっくりくるのですが、それなのにわたしの横にいてこの心を惑わすのです。

 ある日は映画が観たいと言い、わたしの手を取り映画館へくだらない恋愛映画を観にいって「つまらない」と言い放ちました。ある日はわたしに何処へ行きたいかと尋ね、古本屋と答えると一日中の古本屋巡りを始めました。途中でわたしは他の場所にも行こうと訴えたのですが、「君が望んだのよ」と楽しそうに笑って古本屋を梯子し続けました。またある日は河原に座り団子を片手に花見をしながら只管お喋りをするのでした。話題が尽きて流れる気まずい沈黙には出番などなく、柔らかな春の日差しの元に穏やかなお喋りが続くのでした。そのような花見をする日が一番多く、わたしが一番心地良くいられる時間でした。


 暖かさはますますわたしを包んで、四月となりました。わたし達はお互い進級し、桜はいよいよ満開で、何日か前から続けていた花見も全く退屈することがありませんでした。わたし達は相も変わらずに団子を片手に、最近は場所が固定化されてきていた河原に座っていました。毎度も同じような場所に座って同じような花を見ているのにこの美しさには飽きない。それ以上にあなたに感じた美しさは、あなたが全く相貌を変えないにも関わらず輝き続けてわたしの心を揺さぶるのです。心の嵐は止んでいませんでした。

 花見の時、あなたとは実に多くの会話をしました。その中でわたしの発見としてあったのが、わたし達は決して似ていないという事でした。共通点と言えば世界を灰色に見ていたという事くらいで、食べ物や趣味に至るまでのあらゆる好みや、物事に対する考え方などおよそ似ているとは言えない部分が多かったのです。

 あなたに惹かれた時、最初はわたしと似ているからなのかもしれないなと思っていました。世の多くの人は自分と共通の趣味を持っていたり同じような考え方を持っている人によく惹かれていくのだろうと思っていましたから、当然わたしもそのような恋に落ちるのだろうと思っていたので、あなたがわたしと同じではないという事を知った(おこがましい表現です)時にはハッとさせられました。

 しかしわたし達にはそれが良かったのです。お互い話が合わずに興味を失くすという残念な関係にはならず、逆に自分等の知らない分野に興味が湧いたのです。あなたはわたしの読書という趣味に興味が湧き、たくさんの本を読むようになりましたし、わたしはあなたの花を愛でる様子に尊さを覚え、下宿の自分の部屋に多くの花を飾るようになりました。とても安定して幸福を感じられる日々でした。


 出逢って二週間とちょっとのある日、あなたが初めてわたしの部屋に来ました。勿論互いの同意の上でわたしの部屋に来てもらった筈なのに、何故かわたしにとっては突然、意外、緊張、焦燥、唖然呆然。女性が、しかもあなたという特別な存在がわたしの部屋に来るなんてどうしても落ち着きませんでした。そんなわたしとは真逆であったあなたの様子は綺麗なものでした。男の部屋に慣れているという感じではありませんでしたが、あなたの表情はいつもと変わらずにただそこにあったのです。

 あなたはわたしがいつも座っている座布団の上に座りました。当たり前のような表情で、異様にしっくりとくる状態で座っている姿を見た時には、もう勘弁してくれ、と思いました。それからわたしは、何を思ったか少しうろうろしてみて、あなたを視界の真ん中に捉えた時やっと急いでお茶を出し始めました。自分の家であるにも関わらずあたふたするわたしの姿は非常に滑稽なものでしたでしょう。あなたは優しげに笑ってました。

 その日あなたが部屋に来たのには特別な理由なんてありませんでした。ただ、外が雨だっただけです。「あ、降り出した」「じゃあ君の家に行きましょう」、この二言でスムーズに決定したことだったのです。冷静に考えると奇妙な二人です。

 あなたが部屋に来たとて特に何かが変わったとは感じませんでした。会話の内容も、あなたの仕草も。唯一、わたしに握り拳程の動揺があったのですが、あなたから特別なものは感じられなかったのでわたしもいつも通りでいるように努めました。二人はいつものようにくだらない内容の会話をし、時には点けっぱなしのテレビに気をとられたりしてみながら時を過ごしました。そうです、いつも通り平穏に時は流れていたのです。そう、流れていました。

 あれは、あなたがわたしの部屋に来てから二時間程が経ち、時刻は午後四時を過ぎた頃でした。春の部屋は空調を用いる必要もなく、まだ微かに太陽も陽を射してくれていて部屋は誠に心地の良い空気で満ちていました。同時に微睡みでも溢れかえっており、柔らかな座布団の上にいたという事が良くなかったとしか言えません。あろうことかあなたは、わたしの部屋で寝息を立て出したのです。

 お尻は座布団、頭はベッドにもたれかかっている。そのような状態であなたが立てた寝息は、意図して出しているといったようなものではなく、それはつまりあなたが本当に眠りに落ちたという事を物語っていました。純白の肌をただ煌めかせ、柔らかに閉じた瞼と薄らに開いた口。染まった唇は動かない。無防備という状態で佇むそのあなた。わたしは一瞬、気でも違えたかと己を疑ったのでした。

 しかし現実はそこにあり、あなたは眠っている。わたしは正常な神経を持ってそれを見ている。掛け時計の秒針が動く音が、気味の悪い程にはっきりと聴こえ出します。

 口の中が乾いたのか、自分がゆっくりと唾を飲み込むのを感じました。瞳孔は開いていたと思います。何か、わたしの部屋の空気が異質なものになったという事を理解させられたのです。身体は意識の元にありません。わたしの動作の一つ一つを俯瞰して見ているようで、脳内で焦りを訴える声が懸命に騒いでいました。

 外は雨。細やかな音を背景として、わたしはあなたの前に膝を着きました。世の中の多くのものとは真逆で、近づけば近づく程あなたの美しさは際立つ様で、自分の意思では目を背けられないものがこの世にはあるという事が分かったのです。まるで病熱が伴う蜃気楼。しかし、あなたは触れる。その考えが頭に浮かんだ時、右手がふと動き出したのです。

 右手はゆっくりとあなたの頬へ。じりじりと近づいて今にも触れるかという時、突然の躊躇いが起こって動きを止めました。あなたの白い肌が一段と瞬いてわたしの目を刺激したのです。壊れそうだ。こんな不用心に触れては壊れてしまいそうだ。そうわたしは思いました。その所為でわたしの動きは止まったのです。

 そうして理性が身体を支配していたのは僅かな時間の間だけでした。壊れそうだという思いはそのままに、右手は丁寧にあなたの頬に触れました。わたしのものとは比べ物にならない柔らかさ。心臓は大きな衝撃を与えられ怯んでいます。大袈裟に言えばそれは未知との遭遇でありました。

 右手は動きを止めません。指先だけで触れていたのが、次第に指の付け根まで触れていき、最後には掌であなたの頬を覆ってしまいました。心地良いものでした。遥か昔の記憶、わたしが初めて母に触れた時の記憶。そんなものが蘇ってくるかのようで、少し惜しげに感じながらも手を離したのです(いつの間にか手の支配権がわたしに戻っていました)。初めて母に触れた時の記憶なんて、得体も知れずどこか恐ろし気で思い出したくはないではありませんか。それは、この世の神秘かもしれない。それを与えてくれる人が目の前にいる。わたしにはそれで充分だったのです。

 余韻をなるべく長くこの手に残そうとしているとあなたがうっすらと目を開きました。雨の音は依然として、春の穏やかな部屋も依然として。あなたは微睡みを忘れられていないような顔をしていました。わたしの顔を見ると微笑んだのですが、ちょっとの間を置いて再び目を閉じてしまいました。わたしも先刻のあなたと同じような微笑を浮かべて(本当に微笑を浮かべられたかは分かりませんが、そうしたつもりではあったのです)、ベッドの上の毛布を取ってあなたに掛けてやろうとしました。そう思って、少しばかりあなたに覆い被さる形で身を乗り出しました。

 手が毛布を掴んだその時、胸から腹にかけて何か温かなものに包まれた感覚が。思わず目をやるとそこにはあなたが、確かにわたしの身体を抱きかかえていたのです。頭はわたしの決して大きいとは言えない胸板の辺りに埋もれさせ、わたしの腹とあなたの胸は密着。先程の頬を軽く凌駕する柔らかな感触を味わいました。わたしは呆気にとられて言葉も出ない動けもし得ないで、石化したような状態でした。あなたはわたしのシャツを掴んで手繰り寄せお互いの顔が向かい合う状態までになった時、これはわたしの夢の記憶かもしれないと最近は疑っているのですが、ゆっくりと麗しき紅唇を、わたしの頬に触れさせたのです。

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