3.フィラの人々
●ヤトゥーイ=フィラ=ピュルヴィケン(夜斗)
年齢:37歳(1981年6月1日生まれ)
登場作品:①,⑤~⑧
キャッチフレーズ:「黒の騎士」
ジョブ:魔導拳闘士(防御系)
FP:5000
習得技能:★幻覚Level.3,★幻惑Level.4,★
固有技能:★長き夢
特記事項:主にフィラの外交を担当している。ピュルヴィケンの「当代」。
この作品中、最も悩み事が多かった人、夜斗です。身長は185cmぐらいで、武術の心得もあるので体つきも逞しいです。(細マッチョってやつですかね)
人当たりがよく面倒見もいいですが、この人の場合はトーマのような天然ではなく、注意深く観察してとにかく先に先にと手を打つ、めちゃめちゃ気が回る人です。
とても用意周到なのですが、自分の感情を犠牲にしがちなので、将来ハゲないか心配です。
夜斗のこれまでの人生については、『まくあいのこと。』で書いたとおりです。
ずっと「自分の意志」というものがわからないまま過ごしていましたが、朝日と出会って、初めて「本当の自分」について考えることになりました。
夜斗本人は、朝日への本当の想いに気づくのにかなりの時間を要しましたが、ユウは先に気づいていました。
夜斗が記憶を失っている間にエルトラで代わりに仕事をしたとき、夜斗の行動のすべてが「朝日と暁を守るためだった」ということがわかったんですね。
朝日と暁がフィラの三家の直系であることを隠していたため、二人にフィラの民の注意が向かないように、そして二人が自由で快適にテスラで過ごせるように、いつも心を砕いていました。
記憶が戻ってからわりとすぐに、ユウの異変には気づきました。
この頃になると、戦争孤児としてエルトラで管理していたディゲの一人に同じ症状が現れたため、エルトラで働いている夜斗も知っていたんですね。
朝日に言うかどうか迷いましたが、ユウ本人も言っていない以上、勝手に言う訳にはいかないだろうと思い、黙っていました。
やがて朝日がテスラに移住することになり、何も聞かなくてもすべてを悟った夜斗は、二人のフォローに徹しました。
そしてユウがいなくなり……夜斗はこれからどうやって、朝日を支えていくのでしょうかね……。
決めていることは、『夜斗は朝日より年上だが、朝日より長生きする』ということだけです。
それはつまり、朝日がその人生を終えるとき、傍にいるのは夜斗だろう、ということ。
朝日は父親のヒールとユウを見送り、やがて母親の瑠衣子も見送ることになると思うので……最期だけは、見送ってもらう側になってほしいからです。
●リオネール=フィラ=ピュルヴィケン(理央)
年齢:37歳(1981年6月1日生まれ)
登場作品:①,⑤~⑧
キャッチフレーズ:「紫の薔薇」
ジョブ:魔術師(攻撃・防御両立型)
FP:3000(出産前は5000)
習得技能:★衝撃波,★浮遊,★
固有技能:なし
特記事項:フィラの長。二人の子供がいる。ピュルヴィケンの「当代」
見た目によらずキッツいお方、理央ねーさんです。身長は167cmぐらいで、少しウェーブのかかった黒い髪が流れる、華やかな顔立ちの美人さんです。
6歳になる娘のマオニューリと、1歳になる息子がいます。
『想い紡ぐ旅人』では朝日の敵という立ち位置でしたが、それもすべて、フィラの直系としての責務からです。戦争を終わらせ、フィラを取り戻すことにすべてをかけていました。
実際の闘いでは、攻撃特化でしかもFPが上のユウには負けてしまいましたが、かなりの実力者です。
フェルティガを変化させ、ゴムのように伸び縮みさせたり、網のように張り巡らして捕獲したり、かなり趣向を凝らした闘い方をします。戦闘経験も豊富ですから、並のディゲでは相手になりません。
和解後は、朝日のよきおねーさんとして相談相手にもなってくれました。朝日と暁のことは家族のように大事に思っています。レイヤとメイナについては「私がちゃんと教育しないと!」とかなり意気込んでいるようです。
夜斗の朝日への想いについては、漠然とは気づいていました。率先してフィラの中央に立ち、弟が自由に動けるようにしていたのも、それが彼の唯一の望みだとわかっていたからです。
これからもフィラの長としてその手腕を振いつつ、朝日たちを見守って行くのだろうと思います。
●ヨハネーリュン(ヨハネ)
享年:17歳(2001年-2019年3月13日)
登場作品:⑤~⑧
キャッチフレーズ:「努力家の優等生」
ジョブ:調教士
FP:1500
習得技能:★幻惑Level.1(デューク憑依時はLevel.3),★
固有技能:★飛龍と友達
特記事項:暁の初めての友達。ゲートの限界を超えたことにより、消滅。
実は暁の大叔父、ヨハネです。カンゼルとピュルヴィケンの遠い傍系の女性との間に生まれました。
いわゆる「天才」暁に対し「秀才」として登場させたのですが、最初から「敵になりうる人物」として考えていました。……ごめんね。
暁は何でも器用にこなしてしまう分、コツコツと努力する、ということが苦手です。ですので、そういうタイプの人に憧れを抱いています。
二つ年上のヨハネは、初めてフィラに来た暁にも優しくしてくれて、色々なことを知っているし、また努力もしていたので、暁は尊敬するお兄ちゃんのように慕っていました。
そういう暁をヨハネは可愛いと思っていたのですが、一方でどうしても埋められない素質の差に嫉妬してもいました。
ヨハネはなまじっか実力がある分、暁の力の凄さにいち早く気づいたんですね。
ヨハネがデュークに乗っ取られたのはそういう心の隙を突かれたからなのですが、朝日との契約がきちんと完了していなかったために正式な契約はできず、強引に身体を乗っ取られた形になりました。
そのおかげで、暁を殺そうとするデュークをすんでのところで止めることができ、最後も自我を取り戻して暁を助け出すことができたのです。
もう彼は生まれ変わることができませんが、暁は決してヨハネを忘れないと思います。テスラについていろいろ教えてくれた――そして、最後は命を救ってくれた友達ですから。
●メシャン,ハイト
年齢:メシャン…28歳,ハイト…26歳
登場作品:⑤,⑥,⑧
キャッチフレーズ:「闘魂シスターズ」
ジョブ:門の番人
FP:メシャン…1600,ハイト…800
習得技能:★読心Level.1
固有技能:★次元の穴の管理者
特記事項:「次元の穴の管理者」という特別な血筋で、「当代」はメシャン。
控え目な人が多いフェルティガエの中で、かなり元気な姉妹です。
『想い紡ぐ旅人』時はまだ13歳と11歳の子供で、エルトラ近郊のフィラの村に住んでいました。両親はすでに亡くなっていました。
やがて戦争が終わり、フィラへ帰ることになり……そのとき初めて夜斗に会い、一目惚れしました。
夜斗は主にエルトラ内部で働いており、フィラの村まで赴くことは殆どなかったんですね。
ピュルヴィケン直系のリオネール様には双子の弟がいる、ということは知っていましたが、顔を合わせたのが初めてだったのです。
まだ子供だし、夜斗も適当にあしらっていたのですが、成長して大人になってもどんどん熱量が上がっていくばかりでどうにもならなくなり、夜斗は心を鬼にして一度こっぴどくフりました。
朝日にちょっかいをかけたのはその直後のことで、二人は22歳と20歳。三家の直系だということはわかっていましたが、夜斗が大事にしているのはそれだけではない、ということに気づいたからです(女の勘というやつですね)。
あのあと理央にこっぴどく叱られ、また、「次元の穴の管理者」とはどうあるべきかということをきちんと教えられましたので、その後は三家の直系を補佐する血筋としてちゃんと仕えてきました。
それでも、肉食系で面食いなのは相変わらずなので、暁のことは気に入っています(……M気質なのかな)。
メシャンには2歳になる娘がいて、あわよくば暁の嫁に、と思っているようですが、それは無理でしょう……。
ハイトには1歳になる息子がいます。次元の穴の管理者は姉妹の子供の誰かに引き継げばいいことなので、今度はレイヤかメイナに狙いを定める可能性はありますね。年も近いですし(おいおい)。
一度は意地悪をしたおねーさん達ですが、頼りがいのある仲間であることも確かです。
●ジルバ
年齢:34歳(1984年生まれ)
登場作品:⑤
キャッチフレーズ:「フィラのマスオさん」
ジョブ:なし
FP:1400
習得技能:★衝撃波,★
固有技能:なし
特記事項:理央の旦那さん
理央より3歳年下の、優しい旦那さまです。キエラとの戦争中はエルトラ軍には入らず、エルトラ近郊のフィラの村の護衛をしていました。
定期的に訪れる理央とは勿論顔見知りで、言うなれば部下みたいなものでした。
彼はずっと理央に憧れのようなものを抱いていましたが、「自分なんかが」という思いが強かったので、特にアプローチもしていません。自分より強く逞しい男が代わる代わる理央に言い寄り、その度になぎ倒されていくのを、ずっと近くで見ていました。
何やかんやあって理央30歳、ジルバ27歳のときに結婚。
……ん? この辺のくだり、短編とかで書けそうですよね。でも、まぁいいか。
●ナチュリ
享年:43歳(1942年-1985年)
登場作品:①(ヒールの回想)
キャッチフレーズ:「悲劇の陰に」
ジョブ:なし
FP:2400
習得技能:★遠視Level.4,★看破,感知Level.2,
固有技能:なし
特記事項:ヒールの母、朝日の祖母。
登場はしていませんが、ヒールの回想やフレイヤ女王の語りで名前が挙がっています。
物語的にもかなり重要な位置におり、作中では語られていないこともあるので、ちょっと書いておきたいと思います。
フレイヤ女王が即位する際、キエラの王ザイゼルを招くことになり、チェルヴィケンの「当代」としてその場にいました。カンゼルと恋仲になりますが、その後「エルトラやフィラの事情を探る」という目的を果たしたカンゼルにあっさり捨てられてしまいます。
フィラに帰った後は、「三家」として軽はずみな行動をしたとかなり責められました。
その後懐妊がわかり、相手がフェルティガエではなかったこともあって揉めたのですが、身体が強くなかったのでもう次の子供は望めないだろう、とそのまま出産することになりました。そうして生まれたのがヒールです。
フィラでは強い力をもつ赤ん坊は青い目をしているのですが、ヒールの目も少し青かったので、フィラの民の誹謗中傷は少し治まりました。
ふつうは一歳で女王の託宣を授かりに行くのですが、精神的にも肉体的にも危険な状態だったので、しばらく静養していました。
ヒールが三歳になった頃、やっと飛龍に乗れるまでに回復したので、母子二人でエルトラに向かいました。
その頃、フレイヤ女王はカンゼル王の即位式に出席していました。女王はこのとき急いでエルトラに帰ったのですが、それを不思議に思ったカンゼルは、付いて来ていた若い女官から「ヒールの託宣をする予定がある」ということを聞き出しました。
それが自分が捨てた女と子供であることに気づいたカンゼルは、フェルティガの研究には三家の人間がうってつけだと思い、彼らを浚いました。
ナチュリは三家の直系でしたが、およそ戦争向きの人材ではなく、ヒールもまたそうでした。
ただ、これから研究していくのに使える人材だと考えたため、カンゼルはヒールに手を出さないことを条件にナチュリから情報を聞き出し、フェルティガエの誘拐を始めました。ある程度揃ったところでやめましたが、その頃にはもう、ナチュリの身体は限界にきていました。
その頃はまだフェルポッドは開発されていませんでしたが、デュークの協力と女神の遺物により、ガラスの棺の原型ともいえるフェルティガを貯蔵する大きな壺みたいなものは地下にありました。
ナチュリは地下に連れて行かれ、この壺の中に閉じ込められました。ヒールは「七歳のときに母は死んだ」と言っていますが、実はその後11年間、この壺の中に閉じ込められ、殆ど意識を失った状態のままカンゼルに酷使されていました(意識を失う前に「当代」はヒールに譲りました)。
……とは言っても、カンゼルは看破や遠視をさせるために酷使しただけで、他のフェルティガエのようにいたぶってはいません。一応、かつての恋人に歪んだ愛情は持っていたのかな、と思います。
やがてフェルポッドを発明、彼女自身を生かしておく必要はなくなるのですが、カンゼルは止めを刺すようなことはしませんでした。
しかし長い間デュークの干渉を受けていたためフェルティガの老化を発症、カンゼルがしばらく訪れないうちに命を落としてしまいました。ちょうど、ユウが生成された頃です。
カンゼルがフェルティガエの交配実験に自ら臨むようになったのは、この後の出来事です。
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