第4話 ペーター
ハイジャンが抜けてから、ある戦地で、ペーターと言う大男を仲間に引き入れた。
ペーターは格闘家。
パーティ全体のレベルが28という中、23までのレベルがあったペーター。
だからアンソニーも安心して仲間に引き入れたのだった。
だが、このペーターと言う格闘家は、少しやんちゃだった。
戦いが終わり、新しい街で休息していたある夜。
酒場で事件が起きていた。
ペーターが酒場の酒場ガールたちを襲っているという情報がアンソニーに入った。
駆けつけてみると、酒場ガールを自分の女にしようと、必死にチョッカイをかけていた。
見れば、警察隊までも出動する始末。
勇者一行ということで、逮捕までには至らなかったが、素行が荒すぎるからと注意を受けていた。
一度ならずも二度、三度。
それは戦いが終わる毎に行く街々でペーターは、酒場ガールに手を出していった。
そんな素行の悪さを正すために、アンソニーは、ある夜も飲んでいたペーターを呼び出した。
「なんだ?アンソニー! 俺は今、心地よく飲んでんだ!」
「ペーター! お前のその女好きはどうにかならないか?悪さだけはやめてくれ!」
「はぁーい?」
「だから、勇者一行というだけで、お咎めを食らわずにすんでるんだよ」
「オメーの方こそ女好きの外道じゃねーのか?」
「なんだとぉ!?」
「おらぁ、知ってるぜぇー!! 前にこのパーティにいた女のことをよぉ!」
「何!?」
「クララッカスとハイジャンだっけなぁ? モテ男さん?」
「それが、どうした!」
「どっちの女も、お前が寝取ったんだってな? えぇ!?」
「なんだとぉ!? そんなことは……」
「じゃあ、違うってのか?オラァ、同じ仕事仲間であるパーティ仲間には、手を出さねぇ!
「!!!!!!!!」
「オラァそこまで、外道じゃねぇ!!」
「…………」
「ただ、戦闘に行って、休息の場でオネーチャンたちと、少し戯れたいわけ……。わかるだろ?」
「………」
「少しの癒しの時間なんだよ・・・取って食おうってんじゃねーんだ!黙ってろ!」
俺は、勇者だ!
俺は、勇者だ!
俺が、勇者だ!
俺だから、勇者だ!
アンソニーは心の中で、ずっとこの言葉を叫んだ。
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