ツイッターの裏アカウントで吐き出していたという著者さんの創作にまつわる悩みや憤りを、同じ思い持つ同志のため表へ引きずり出した創作論(?)。
話供養というものがあります。これは亡くなった方の思い出を語ることで、残された方々があらためて悼み、慰められるためのものなんですけど、これはまさに創作者ならではの話供養だなぁと思うんです。
小説へ取りかかって1本書き上げるまでには、それはもういろいろありますよね。その間に降り積もったりかき乱したりする“邪魔”が、著者さんの愚痴として露わになっていきます。外因的なものもあれば内因的なものもある。でも、それらは等しく創作者の筆を迷わせて、書く気力を削ぎ落としていくわけで。
ここで赤裸々に綴られた愚痴の数々は、書き手さんなら共感のひと言でしょう。綺麗事じゃありえないリアルがあるのはもちろんのこと、なにせ投げ出すことなく書き続けていればこその愚痴ですからね。
現在進行形で悩んでいる書き手さんにぜひ読んでいただきたい“話供養”です。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)