風邪が流行ってます

「ごきげんよう悪役令嬢様」

「ごきげんよう・・・金髪縦ロール転生者悪役令嬢様でしたわね、ごきげんよう」

最近、風邪がはやっていて、みんな揃いも揃って白マスクなので顔がわからない。

街の医薬店の風邪薬やマスクが軒並み売り切れになって、今は市井の薬師や手製のマスクのお世話になってる。

それでも、みんな似たようなことを考えるので、マスクがみんな同じ型に、だから頭髪だけで判断することになるのだが、この転生者の金髪縦ロールの皆さんは顔を隠すと誰か誰だかわからない。

風邪でうつすといけないから、みんな少しずつ距離をおいている、普段はよくわからない追っかけっ子をしているヒロイン達と、金髪縦ロール悪役令嬢達もおとなしくしている。

「ええ、マスクを作るのはメイドがやってれてるのですが、みんな同じ形とは、何かつながりがあるのでしゃうかね」

「まあそれはわかりませんわ、でも、確かに、同じ型ですわね」

「服装も同じ、髪型も同じ、こうやってマスクて目だけ出してても、みんな同じに見えてしまいますわね」

「そうですわね、ああ、こうしたらどうでしょう、マスクに、自分の顔の特徴を描くのですの、そうしたら間違えないのではなくて?」

「ええ、それはいいアイデアですわね」


と、

「甘いですわね!」

そこに他の金髪縦ロール令嬢が

「あああなたは、貿易商令嬢様」

「ごきげんよう、そのアイデアは既に出てますわ!」

「まあ、そうなのですか、それは知りませんでした」

「最近の流行はすばやくキャッチするのがレデイの嗜みですわよ、オーッホッホッホッ!!」

「マスクに顔を書くのが廃れた、その理由は!!」

「そ、その理由は???」

「メッチャかっこ悪くて、学園の行き帰りに近隣の子どもたちやみんなに笑われるからですわ!!」

ガーンorz



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