300万回死んだ男

お茶のワゴンを押して中年のイケメンが入ってきた

「あ、ちょうど良いわ!、彼の話も聞いたらいいよ」

「男性が頭を下げる」

「よろしくおねがいします。私は用心棒侍。人呼んで100万回死んだ男です」

いきなりの事に目が点になる悪役令嬢とヒロインちゃん

「あ、その100万回死んだってどういう事ですか?それってはっきり言って不死にちかいんじゃないかと思いますが」

「私は魔王様にお世話になる前には映画制作会社や劇団で主に悪役、死に役をやっておりました。私は『いかにかっこよく死ぬか』を常に考えておりました。

私はもともとは下っ端の名もない役者だったのですが、死に方を極めたおかげで色んな映画や舞台に呼んでいただき、最後には世界的なスターと一緒に映画に出る事ができるようになりました。

私は下積み時代に船頭、航海士、飛脚、馬車の御者、忍者、バトラー、執事、メイド、騎士、盗賊、商人、教師、探偵といろんな仕事をやっておりました。ですから、その仕事の経験が舞台での役作りに大変役にたっておりました。そのおかげで、映画によっては主人公よりも出番が多いこともございました。」

「その『かっこよく死ぬか』という事でここのオークやゴブリン、ケルベロスとかに演技指導してもらってるんだ、奴らは基本が動物で、演技は大根だから、死ぬときには煙になって死ぬだけ、それを『かっこよく死ぬ演技』を導入する事で負けそうになるまえに、死ぬ演技をして煙になる。これでダンジョンに来た客・・・冒険者は気分よく勝てるってわけさ」

「いま冒険者の事を客って言った〜〜〜〜」

ヒロインちゃん爆笑

悪役令嬢様も苦笑している

「マジ■秦映画村ね」

「まあ人生も最後かなーって思っていた時に、魔王様が現れて

『吾の為に生きよ!』

って言われたのです、私が

『わたしはもう老人なのでこれ以上生きることはできません』

というと

『その為に、吾は2つの命を持ってきた』

ということで、私は今、魔王様の下僕として第2の長い人生を送っているのです」

「用心棒侍さんにはどこで会えますか」

「私は江戸町階層で出てきます、江戸町お茶席や江戸舞台踊、衣装の着付け教室、演武教室とかもやってますので受付でチケットを買ってください。」

「あ、もし、チケット無しで入ったら?」

「これでもSS級の剣神ですので1万人程度なら瞬殺です。それにアンデッド侍組もいますしね」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る