異能戦争

高望み男

プロローグ

雷鳴の鳴り響く夜

その男、二階堂波和は、荒野の道なき道を歩いていた。

自分の居場所を見失った彼の最期の風景を探して。

「へへっ、最期にふさわしい天気だな。」

大した学の無い波和は、そう言って両手を挙げた。

「見えたぞ!あそこだ!」

追手が叫ぶ。

「おいおい、嗅覚のいいワンちゃんはこれだから困るぜ」

波和は走る。

息を切らしながら後ろを振り返るとそこにはもう誰もいなかった。

「あれぇ、ワンちゃんはおもちゃでも見つけたのかな?」

そう言って皮肉に笑う波和。

荒野の果て、崖の淵まで来た。

「さあて、じゃあな、俺」

そう言うと両手を広げ、前に倒れる。

頭の中を走馬灯が駆け巡る。

「ははは、こりゃあすげえや‼」

激痛が走る。

意識が飛ぶ。

体が軽くなる。

「やっと死んだか…」

そう思った直後だった

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