ビッチよ、女神にひれ伏せい!
naka-motoo
ビ〜ッチ!
「ビッチ!」
「へーい」
「俺のカフェモカの残り捨てとけ」
「ビッチ!」
「へーい」
「アタシのあぶらとり紙捨てといて」
「ビッチ!」
「へーい」
「俺の服に触んなよ!」
「あっ!うっ!・・・てて・・・へーい」
「ビッチ!」
「へ、へーい」
「オマエのテーマ曲ってなんだっけか?」
「へ、へい。ローリング・ストーンズの『ビッチ』でごぜえやす」
「ギャハハハハ!」
ヘイヘイ。今のうちに笑っときなよ。
さーて。言いつかった仕事やっとかないとこやつらからまあた殴られるからね。
「ビッチ!居るかあっ!!」
???
なに?あのおばさん。
「オマエがビッチか!」
「い、いいえ。わたしじゃありません」
「ならオマエか!」
な、なんじゃ、あのおばさん。
あれってガソリンスタンドの人が着てるやつかな。ツナギ、っていう服だっけ。高校の教室になんでガソリンスタンドの人が乗り込んで来るんだ?
女って女に尋問して・・・でもなんかヤバそうだから名乗り出るのやだなあ・・・あ。でも名乗り出ないと身共がクラス全員から後でリンチされちまうか・・・
「あ、あの。身共がビッチでごぜえやす」
「オマエがビッチだと!?」
「へ、へい」
「うーむ」
き、きしょくわるー。
舐め回すように見てくるな、このおばさん。
「ちょっと腕貸せ」
「あっ。あの・・・身共に触ると感染しますよ?ってか、身共に触れるんですか?おばさんは」
「おばさんだとう?」
あ、し、しまいやした!
「ヘッドと呼べっ!」
「へ、へい!?え?」
「ヘッドだ!」
「へ、ヘッド!」
「どれ・・・ふむう。手の筋肉は思ったよりやわいな」
「へ、ヘッド」
「なんだ!」
「あの・・・身共に触ると感染しますよ?」
「なにが」
「だ、だって、身共は幼稚園の頃から筋金入りの『ばい菌』扱いでずーっと毛嫌いされてきたもんで」
「それとオマエの特殊能力と関係があるのか?」
「身共の特殊能力?」
「ビッチ!」
「へ、へい!」
「その返事の仕方は卑屈だ。『はい』と言え!」
「へ、はい!」
「それから自分のことを『身共』などと呼ぶな。『わたくし』と言え!」
「へ、はい!み、わたくし、ばい菌歴幼小中高の通学年次とイコールであります!」
「黙れ!そんなことには興味はない!オマエの特殊能力『触らぬ神に祟りなし』が必要なのだっ!」
えっ・・・・
『触らぬ神に祟りなし』?
「征くぞ!」
「ど、どこへ?」
「エアポートだっ!」
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