第2話 花言葉
「よし、髪型も服もバッチリ決まってる!」
待ち合わせ場所のレストラン前で、鏡を使ってもう一度自分の姿を確認し完璧な格好であることに安心した。
普段男友達と遊ぶ時は、別にここまで気を遣わないのだが、今日は特別な日なのだ。そうー
「ごめんね、和樹君遅れて!」
ゆいとのデート(?)なのだ!普段告白しても断られ続けてきたが、今日はゆいから誘ってきたということは、脈ありなのでは?
「いや、今きたとこだよ。それはそうと何処に行くの?」
「ん?それは内緒だよ?」
人差し指を唇に当て、片目を閉じるゆい。
やばい!本当に可愛いすぎる!
「なぁ、ゆい俺お前のこと、、、」
おっと、いけないついつい可愛すぎて勝手に告白してまた振られるとこだった。
「いや、やっぱりなんでもない。それより学校でさー」
お互いの学校生活はどうだの、バイト先の店員は変だのと他愛もない話をしていると、ゆいが足を止めた。どうやら目的地に着いたらしい。
「花屋さん?」
ゆいの目線の先には色とりどりの花がたくさん並んでいた。
「もしかしたら、がっかりしたかもだけど、私花が昔から大好きだから、花屋でお互いが選んだ花をプレゼントしあうってしてみたかったの!」
てっきり、遊園地や水族館だと思っていたのでびっくりしたが、花屋も悪くないと思う。
まぁ、ゆいと出かけられればどこでもいいんだけど、、、
「中に入ろっか?」
「そ、そうだな!」
言われるように中に入る。
「今から約10分かけて相手を想って花を選で最後にプレゼントするっていうのでいいかな?」
「大丈夫だよ」
言葉とは裏腹に俺は焦っていた。花を選ぶ自体に問題はない。ただ、ゆいが花言葉に詳しかったらどうする?もし、綺麗だと思って選んだ花の花言葉が、実は相手を傷つけるものだとしたら、嫌われてしまう。
いや、弱気になるな!!俺は今日こそ彼女を作るんだろ!?
何か、何かいい解決策はないものか、、、
「わぁ、薔薇も沢山ある!しかも色も赤とか白とかいっぱい!」
ゆいの言葉で姉が今日のためにアドバイスをくれていたことを思い出した。
『もし、デートが花屋でお互いにプレゼントしあうなら、薔薇がおすすめだよ。相手が花言葉を知っていたとしても余程なことがない限りは失敗しないか』
女性が選ぶデート先って何処だと思う?という質問をした時に姉が答えたのだ。正直花屋は行かないだろと思っていたので、適当に聞き流していたがまさか、本当に花屋になるとは、、、
だけど、アドバイスのおかげで何とかなりそうだ!ありがとう姉さん!
自分が気に入った色の薔薇を買い店員にお願いしてもらい、花をまとめてもらう。
何故かその時まじかよって顔をされたが、どうしてだろう?
そんなことを思っていると、ゆいも終わったらしい。
「和樹、早かったね。花選ぶの」
「まぁ、ね。自分の気持ちを込めたつもりだから受けとって欲しい!」
口説き文句とまではいかないがカッコつけてみる。
さぁ、、ゆいの反応はどうだ!
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