慟哭のガレージ

またひとりです

「意味ないんッスよ。あれもこれも全部。」

生馬鹿しい喧騒を逃げだして

またこんなことをしている

クローバーをじとりとにらむ

無寥の風が通る

肌を冷やして通りすぐ

「きれいに図形が描けたり。

コートが妙に身体にしっくりきたり

久しぶりにヘリコプターを見つけたり

そういうのってホント

意味ないんッスよ。ホント」

今と一番遠いのは

言わば「春の舟路」とか

「太陽の子孫と散歩する」だとか

一見変わったように匂いだけして

中身はそのままの若いチーズ

煙に覆われた街だったらみんな

今より心は神妙に

背も伸ばして歩くのに

誰にも見つからないように

屈んで歩く精神は

いまにもへたばってしまいそう


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