婚約破棄して楽しいですか？

第1話 楽しいですか？

今、私はまさに婚約破棄されようとしているのですけど、

婚約破棄される事自体はしょうがありませんが、

どうしてなのかなって思います。

「ねぇ、婚約破棄して楽しいですか？」

「どうしてそんな事を聞くんだよ」

「婚約破棄ってする人は楽しいのかなって

思ってね」

「楽しくて婚約破棄する人っているのか？」

「そういう人もいるかもね」

「なるほどな」

「貴方は婚約破棄して楽しいの？」

「楽しくない」

「今はどんな気持ちなの？」

「申し訳ない気持ちで一杯だ」

「だったら、婚約破棄するのやめる？」

「いやっ、婚約破棄はする」

「婚約破棄しちゃんだ」

「婚約破棄するに決まっているだろ」

「私の幸せを壊してまで婚約破棄するんだ」

「うっ…………」

「で、婚約破棄するの？」

「し、しま……するよ」

「へぇ～、恋愛してたのに壊すんだ」

「それって脅しか？」

「脅しじゃないよ、事実じゃないの」

「しかし、婚約破棄させて欲しい」

私はなんとか婚約破棄を取り止めて欲して

アレコレと言っていますが、なかなか婚約破棄を

取り止めてくれません。

婚約破棄するという人はなかなか根強いというか、

頑固というか、なかなか引き下がらないですよね。

私は困っているのでした。

このままでは婚約破棄されちゃうのでなんとしてでも

婚約破棄を阻止したいです。

婚約破棄を阻止する方法が見つかりません。

本当にどうしようかなって困っているのですけれど、

打つ手がございません。

婚約破棄を受け入れるしかないのでしょうか。

「婚約破棄を受け入れるのか？」

「そういわけにはいきません」

「いい加減に認めろ」

「嫌です」

「認めてくれ、お願いだ」

「はぁっ、わかりました。私の負けです」

「よし、婚約破棄は成立だな」

「そういう事にしましょう」

「婚約破棄を認めてくれてありがとうな」

結局、最後の最後まで相手のペースに飲まれて

婚約破棄が成立してしまったのです。

婚約破棄は本当にどんな時でも嫌なものですね。

婚約破棄はもうコリゴリです。

さようなら、私の恋愛。