生き人形の宴

暇の三

第1話生き人形の宴


ーー体の中に、「何か」不自然なものが入ってるってそんな感覚がしない?


ぞっとするような、おぞましいような――誰もが「異形」だというけれど


それでも、私はーー


救われたから

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「よし、準備オーケー」

彼女は、来ていた和服を脱ぐと、傷だらけの、肌を見せる

縫合糸と注射針の痕だらけの肉体

飛び出すように、駆け出してーー行ってきます声をかける


いってらっしゃい、と誰かが言うーーそれさえも、時の流れに消えてしまいそうで


ーー彼女を研究していた、研究者たちは、異常だと、おかしいと誰もが言う


「、、、異常がないのが、変なんだーー異常がないことがおかしいんだ

だって、だってこれじゃーー全然「禁忌の術」にならないではないか」



頭を抱える、白衣の男たち、その中の一人がしゃべる

「--あいつの力を持ってるんだ、だったらいずれーー使う時が来るはず

いや、くるかもしれない、だからーーー」

その時を待とう、待ってもう一度検査しよう


今度こそはーー異常を見つけるまで、何度でも、何度でも繰り返してーー

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