名残惜しい

 時間はどんどん過ぎていった。


 3月、卒業式。みんなお祭り騒ぎだった。未来で満ち、輝く、みんなの目。


 式が終わる。他のクラスはみんな帰っているのに、私のクラスの5組だけ、わいわいバカ騒ぎ。みんな帰るのが名残惜しい。それくらいクラス全員、仲が良かった。


 学年一、教室が汚いといつも先生に注意されていた5組。茶髪や金髪にしてしまった女子が使った、髪を黒くするスプレー缶の空き缶があちこちに転がっていた。他にも何から何まで、要らないものが教室に散乱していた。


 最後の最後まで、5組は5組らしかった。

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