第33話 籠城戦の準備をしよう。日用品編
ゼニアさんおすすめのお洋服屋さんでお洋服を買ったあとは、そのままの足ですぐ近くにあった化粧品店へと向かう。
「こんにちは~」
「いらっしゃいませ」
ちなみにこのお店もゼニアさんのおすすめのお店だ。私がシャンプーやコンディショナー、歯ブラシなんかが欲しいって言ったら、このお店を紹介してくれたんだ。シャンプーとかコンディショナーはともかく、歯ブラシって化粧品屋さんで売ってるの? って聞いたら、ボディケア商品全般を扱っているお店だからあるんだって。
私は早速シャンプーとか、コンディショナーを売っているコーナーへと向かう。シャンプーやコンディショナーは変な香りだと困るからね、シャンプーとコンディショナー選びは匂いをしっかりチェックして、慎重に選ばないとね。
日本ほどではないけど、この世界もシャンプーの種類は結構多いみたい。う~ん、いろいろありすぎて迷っちゃうね。ん、このシャンプーはすっきりとした匂いでなかなかよさげかも。よし、これにしよっかな? ただこの世界、成分表記にあんまり頓着がないのか、シリコーンが入っているのかがわかんない。
日本にいたころはシリコーンの有無はすごく重要視されていたのに、ちょっとカルチャーショックだ。ちなみに私はダメージが気になっていたから、シリコーン入りを使っていた。ん~、聞いてみるのも手だけど、そもそもここは異世界だもんね。きっとこっちにはこっちのヘアケアがあると思うから、まずは使ってみようかな。ゼニアさんの髪の毛はさらさらのつやつやだったから、ヘアケア製品のレベルが低いってことはないと思うんだよね。
よし、決めた。ここはこのすっきりとした匂いのシャンプーと、セットになってるコンディショナーを買おう。トリートメントもあるみたいだけど、今のところ大丈夫かな? なんか、こっちに来てから髪の毛の調子がいいのよね。ボディソープと石鹸も同じ匂いの物があったのでそれを購入する。
それじゃ、次は歯ブラシと歯磨き粉ね! 歯ブラシは何かの毛の歯ブラシがあった。日本にいた時はナイロンかPBT? っていうのしか使ったことがなかったから、何かの毛の歯ブラシはどんな磨き心地なのか、ちょっと楽しみだよね。普通の歯ブラシ以外にも、ピンポイントブラシと糸のフロスもあったので購入する。
ちなみにだけど、歯磨きは大事らしいからね! 私も日本にいた時は予防歯科に行っていたんだけど、そこの先生が毎回言ってくれるの。歯ブラシや定期健診で細菌バイオフィルムを除去するのが大事なんだって。何でも、歯周病になると歯周病菌が歯茎から血管の中に入って、脳にまで行くとアルツハイマーの原因になるとか、歯周病菌がのどのほうに行くと誤嚥性肺炎の原因になるとか、いろんな病気の原因が口内環境、ひいては歯磨きにあるケースがあるんだって。
というわけで、歯磨きは大事なので欠かさずしましょう。私も歯ブラシだけじゃなくって、ピンポイントブラシと、糸のフロスを購入済みです! ちなみに歯間ブラシは入らないので使ってなかったです。本当は電動歯ブラシが欲しかったんだけど、流石にそこまではないみたい。
歯ブラシの次は歯磨き粉を探す。これも本当はフッ素がいっぱい入ったのが、虫歯予防にいいみたいなんだけど、シャンプーのシリコーンと一緒でその辺のことがわからないんだよね。ゼニアさんの歯はとってもきれいだったし、とりあえず、適当なものを買っておけばいいかな? うん、このブドウ味のやつにしよっと。
その他にも細々としたものをいろいろと買って、私の籠城の準備はまさしく万全だ! 私は意気揚々とお城の第2拠点へと戻ることにした。
私はお城の入口にいた門番さんに、ロジャー将軍からもらったカギを見せる。
「どうぞ、お通り下さい」
流石はロジャー将軍の紋章付きのカギだね。時代劇の副将軍の印籠なみのパワーがあるかもしれない! あ、そうだ、荷物のことも言わないとだよね。買い物に行ってこいとは言われたけど、配達先にお城を指定した後のことを考えていなかった。完全にうっかりだ。
「すみません。街で買い物をしたのですが、配達をお願いしておりまして、その場合、どうしたらいいでしょうか?」
「では、お部屋の前まで運ぶように手配しておきます」
「いえ、門番さんにそこまでしていただくわけには」
それはありがたいけど、門番さんは兵隊さんだ。いくら何でもこんな私的用事で動かすわけにはいかない。
「私達が直接運ぶわけではありませんので、気にしないでください。城では小間使いをたくさん雇っておりまして、彼らの給料は固定給がもちろん支払われるのですが、それにプラスして仕事量に応じて増額されるのです。ですので、さくら様はお気になさらずに」
「わかりました。では、よろしくお願いします」
ここは素直にお願いしておこう。これはデスモンドさんにちょっと言われたことなんだけど。お城はお城のルールで動いているから、そう言った人の仕事を取るのは良くないのだそうだ。食文化や好き嫌いの関係もあるから、部屋にあるキッチンを使うくらいなら問題ないらしいんだけどね。
というわけで、私はお洗濯も、お部屋のお掃除も、普段のご飯も、基本的には全部お願いすることにしている。な~んてかっこいいことを言っちゃったけど、本音はただただラッキー! って感じなんだけどね!
後は荷物が来るのを待てば、籠城生活の準備はバッチリだね。そうしたら後は、薬師としてポーションを量産しないとだね! こないだ発見した上空からサイコキネシスで青い果実を集めるという、その名も上空採集法を使えば、安全にたくさん青い実を集められるだろうし、うん、何の問題も無いね!
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