第7話@社会に吠えろ!
「東山山上駅前の大きな団地群。そこに住む大隅さん、という方にアポイントメントが取れた。今度、そこの所有している、野外ステージにてライブをしようと思う。」
唯がやけに乗り気だ。
「いいけど、借りれなかったらどうするんだよ?」
「その時には何か、考えたらいいと思う。だって私、届けたい。」
「あの爺さんか。まぁな・・・。」
実朝と唯のいうことはよくわかる、だが―
「もし仮に、使えたとしても、そのステージにあの爺さんが近寄れると思うか?」
「いや。まぁ、そういうことだから、ゲストとして入ってもらおうと思ってる。」
実朝の顔色が変わった。
「もともとのポン酢の始まりは唯、お前だった。お前がいいなら別にいい。けどな、一つだけ忠告しておく。色が付く、ってこと忘れんなよ。」
「色が付く?」
僕は訊いた。
「あぁ。色が付くってのは、こんなボランティアのようなことやってみるはいいけど、ずっと続けていかなきゃならなくなるし、こういうことをやってるグループなんだって、言ってみりゃレッテル貼りだよな。」
「じゃぁ、どうすればいい?」
唯。
「仕方ないだろ。一度やるって決めたことはやろうぜ。」
実朝。
うむ。なんとも気変わり早い男なのだろう。
「仕方ないなぁ。」
***
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