筋トレ減量考(二)
「痩せる!」
……と一念発起した即日に行動を始めた。フットワークの軽さは減量には必要不可欠な要素だ。
ここでもう一度おさらいをしておこう。
体脂肪乃至、体重を減らす為には活動のバランスを
摂取カロリー<消費カロリー
の公式にしなければならない。
こちらのサイトの読者諸氏は若者が多いだろう。何せライトノベルという分野が幅を利かせているサイトだからな。故に『なーんだ。食い物減らせば痩せんじゃん。阿呆らし』と想うかもしれない。
そりゃそうだ。若い体には相応の筋肉が付いている。体育の時間みっちり運動して保護者に頼んで量を減らした食事を作って貰い、栄養を摂れば良いだけの話だ。結果は結構早く出て来る。
……しかし儂はそうも若くないので筋肉量が減ってるし、自分で食事を管理せにゃならん。嗚呼、大人って本当に面倒。
その上老化と言う要因だけで筋肉量が減った訳では無い。
十代の頃、儂の体重は最高で63キロもあった(身長は160センチ。小学生の時に成長はストップした)。紛う事なくでぶりんでぶりんだった訳である。花も恥じらう乙女の高校生の頃、一念発起して一年で10キロ落とした。しかしやり方が不味かった。食事の制限だけで減量したのだ。基礎代謝でエネルギーを消費してくれる筋肉を育てる事をしなかった。
栄養の摂取制限を掛ける(特にタンパク質。赤身の肉ね。筋肉を育ててくれる)と、エネルギーが足りないからと筋肉の分解を始める。……一年かけて体重を落としたものの、せっせせっせと重要な筋肉を削った訳だ。ど畜生。
無知は罪。
……この言葉に尽きる。
後悔しても仕方がない。もし読者諸氏に減量を考えた若い方がいるなら(そもそも読者が居るのか儂にはよう分からんが)進言する。赤身の肉は沢山食べた方が良い。カロリー? 筋トレして減らしなさい。ばばあは自分の体型を揶揄われた口なので、思春期の減量に対して文句を言うつもりは全くない。寧ろ綺麗になると前向きになるし、何かを気張っていると自信が付くので応援する。
……話が大きく脱線したな。
しつこいようだがもう一度。
摂取カロリー<消費カロリー
これを果たす為には食事の制限だけでは、脂だらけの体になる。つまり体重を落としても筋肉が減り体脂肪は殆ど減らず、太り易い体になるだけなのだ。
運動、特に筋力トレーニングが重要になる。
一念発起した儂は公式にこれを当てはめた。
摂取カロリー(食事制限。特にカロリー制限)<消費カロリー(筋トレ)
これなら今回はバランスがとれるはず。
しかしカロリーを制限すると栄養価の量も制限されるので筋肉が育たない。従って段階を設けた。第一段階としてバカンスまでに(三カ月内に)体脂肪を25パーセントまでに減らす。第二段階としてカロリー制限をやめてタンパク質を積極的に摂取し筋肉を育てる(2017.09.19現在その段階に差し掛かった)。それで体を作り直そうと企んだのだ。
取り敢えず大まかなプランは立てた。あとは実行するだけだ。
一念発起した五月の初頭から筋トレを特に気張った。
人間の体は下半身に筋肉が集中しているので取り敢えずスクワットから始めた。
ご存知の方が居るかもしれない。一カ月スクワットチャレンジなるものを。一日五十回のスクワットから始めて一カ月後には二百五十回出来るようになると、垂れていたケツがぷりんと上向きになると言うチャレンジだ(細かい事はネットで調べてくれ。相撲スクワットっちゅー開脚するやつだ。正しいフォームでやれば結果はちゃんとついてくる)。アレを始めた。今でもやり続けていて最近は一日二百八十回やってる。
スクワット、腹筋、背筋を始め、序でに遊びとしてフラフープも取り入れた(ガキの頃出来なくてさ、悔しかったのよ。投稿番組の犬っころがフープ回してるのに儂が回せないのは腹ただしくて挑戦)。
フラフープなのだが、実を言うと筋トレにもカロリー消費にもあまり役に立たない。消費カロリーはスズメの涙だし、大きく筋肉を使っている訳ではない。
しかし体幹がしっかりする。スクワットで腰を落とした時に背筋が真っ直ぐになる。感覚から言うと腰に上半身がきちんと据えられたという感じなのだ。つまり良いフォームが取れる。
今でも楽しくてフラフープは遊びの一環として取り入れてる。三十分は回し続けてるし、一度一時間は連続で回していたな。……辛い事だけではなくて遊びも必要だよね。息抜きになったしスクワットのフォームも良くなったのでこれはこれで成功だった。
筋トレは殆ど毎日、食事は炭水化物を極限まで減らして野菜と肉と魚を中心に二食摂った(菓子なんて初めの一カ月は喰ってねぇぞ)。
儂は子供の頃、朝食を作って貰えなかったので朝に物を口にする習慣がない。食べたら食べたで気持ち悪くなるので食べない。三食は基本って言われるけど、絶対ではない。そこら辺はやり易いようにやればいい。
三週間程は停滞せずにゆるゆると体重も体脂肪も減って行った。
しかし誰の許にも停滞期は訪れる。
それはもう直ぐ一カ月を迎え、スクワットも二百五十回達成しそうな四週間目の事だった。
続
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