(エッセイ)カクカク・シカジカ

乙訓書蔵 Otokuni Kakuzoh

筋トレ減量考(一) えー。サブタイトル付けなあかんの。面倒臭ぇ。

 以前から文章の基礎トレーニングとしてエッセイを記そうと想っていたが色々あって延びちまった。長編小説とは違い、特有の文体で行こうと想う。悪しからず。


 五カ月で体脂肪率を十パーセント減らした。


 31.10パーセントから21パーセントに減らした。


(儂はばばあである。故に体脂肪率は男性よりも高い訳だ。……しかし幾らなんでも31パーセントは酷すぎる。体の三分の一が脂肪じゃねぇか)


 減量としては成功していると言っても良い。今の所、目立ってリバウンドもない。


 鍵アカウントだが体のデータ、筋トレメニュー、摂取した食物を毎日掲載している。


 しかし文字数制限があるツイッターよりもこちらの方が色々と記し易いのでこちらで細かい事を記そう。




 減量の切っ掛けは智将の一言だった。


 九月の頭にバカンスを楽しもう、透明度の高い海でのんびりしようじゃないか、とリゾートと航空機をリザーブした直後の事だった。そう、アレはクロークからビキニを引っ張り出しホクホクしてる時の事だ。


「え。……それ着るの? じゃあ痩せなきゃね」


 的確なアドバイスとは言え、智将にまさか『でーぶりん』と言われるとは想わなんだ。


 正に青天の霹靂。


 控えめに言ってシャンパンと間違えて小便を誤飲しちまったような感じだ。


 元ジョガーとは言え、腹ぽっこりの現でぶりんに『おまー、でぶ』と言われたのは凄まじくショックだった。


 この時の儂を弁護する気は更々ないが当時は身長160センチ、体重53.50キロ。BMI20.9としては標準である。服のサイズも困る事はない。しかし所謂『むちむち』だ。


 タニタの体組成計のデータでは体脂肪率31.10パーセントの標準プラスクラス、筋肉量34.80キロ(水分含んだ重さ)の少ない数値、体内年齢は31歳(実年齢はこの時29歳)……と、めちゃめちゃだった。


 本当にショック。


 想い返せば滅茶苦茶不摂生をしてきた。銀シャリ大好きで毎晩のように丼もの喰ってたし、毎週金曜日にはピザを生地から作ってたし酒も結構飲んでいた。運動もせずに書斎に引きこもり原稿をぱちこしてたし、ガソリンとして一日一杯ココア飲料も飲んでた。


 その上、年が年である。


 聞く所に依ると基礎代謝(安静にした状態でエネルギーを消費する事。つまり運動せずにエロ本読んでようが鼻クソほってようがエネルギーを勝手に燃やしてくれる。これが基礎代謝)は25歳を過ぎると緩やかに減って行くらしい(そして大台入ると顕著に現れる)。基礎代謝は筋肉が関係している。年をとれば筋肉量も少なくなる。筋肉量が減ると基礎代謝も減る。だのに若い頃と同じ食と生活習慣を続けていたら当然、肥える訳である。


 つまりこの状態は


 摂取カロリー>消費カロリー


 ……な訳だ。


 そら太るがな。


 もう一度断っておくが特別、でぶりんだったって訳じゃない。


 ジーンズだってウエスト63.5サイズ入ったし(ユニクロね)、服のサイズに困った事はない。しかし所謂『むちむち』してるって状態だし、何よりも体組成計に『隠れ肥満』と言われたのだ。


 ……そりゃ隠れた肥満だから、ただの肥満よりは体裁が良さそうだが肥満は肥満である。


 儂は智将が肥えてようと他者が肥えてようと興味はない。見下すつもりは毛頭ない。しかし自分が『肥えている』と言う状態はどうも我慢ならんのだ。


 お洒落するのが大好きだし、食べるのも大好きだ。しかし肥えた自分に着られるお洋服の気持ちを考えてみるとどうも不憫になる。洋服だってどうせなら、儂のようなでぶりんに着られるよりもスタイル抜群のおねーちゃんか、かっこいいばばあに着られる方が洋服冥利につきるよな。……かと言ってお洒落をやめたくない。


 だったら


 摂取カロリー<消費カロリー


 にすれば良いだけだ(当たり前の事なんだけどね。当たり前の事が出来ないからでぶりんなんだよ。痩せたい奴はこの公式覚えて行ってくれ)。


 ビキニも着たい。


 三十路入ったらお迎えしたいと願っていた素敵なコートも格好良く着こなしたい。


「痩せる!」


 っちゅー訳で一念発起して減量と筋トレを始めた訳である。

                                   

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