第239話 物騒な能力はいりません
投稿が遅れてしまって申し訳ありません。上司と仕事によってメンタルをやられてました。はい、言い訳です。すみません。
今後も、このような感じで不定期になるかもしれませんが、ご了承いただけると幸いです。
______________________________________
「あの~、この【
フォルトゥナ様に問う。
「あら、ステータスの確認をしていなかったの?まぁ、仕方ないわね。今、エシダラで貴方に
「はあ・・・。」
「それで、いつ頃からだったわね。私が確認できたのはアイソル帝国との国境地帯での戦闘時ね。貴方の優しさの感じられない容赦ない攻撃が気になったのよね。それで、少し、【能力】を覗いたら、それが付与されていたわけ。」、
言い終わると同時に地球の神様に溜め蹴りをお見舞いする。少しだけ地球の神様の体が持ち上がった。
「【
「いや、だって刺激欲しいじゃん?」と地球の神様。
「えぇ・・・。僕は平穏な領主と冒険者としての日々を送りたいんですけど・・・。」
「まぁ、運が悪かったと思ってあきらめ、グフッ!!?」
地球の神様を言葉を遮るように上?から何かが降ってきて地球の神様の鳩尾に的中した。どうやら女の人のようだ。ヒールの高い靴を履いて、それで地球の神様の鳩尾をグリグリしている。
容姿は・・・、うーん、何と言えばいいのかな長髪の美人さんなんだけど、その髪色が一定じゃないんだよね。虹色?といえばいいのかなぁ。鼻筋もしっかりとしていて切れ長の目もよく似合っているね。スタイルはフォルトゥナ様と同じようにいいね。
「まったく。この駄神は!!フォルトゥナ殿の世界でも迷惑をかけているのか!!」
そう言いながら名前を知らない美人な神様が力強く地球の神様を踏みつける。あ、血を吐いた。
「む、人の子よ。名乗りが遅れた、すまんな。我が名は“ラケシス”という。こやつの世界ではフォルトゥナ殿と共に女神とされてしまった。こやつのせいでな。」
そう言って、追撃を喰らわせるラケシス様。なんか色々とやらかしているんだねぇ。地球の神様って。
「それで、ラケシス、一体どうしたのかしら?私に何か用事?」
「うむ、実はなこやつが、この駄神が我が
「あら、この子、ああ、ガイウスっていうのだけど、きっかけは一緒ねぇ。」
「なんと!?確かにこの【能力】はただの人の子ではないと思っていたが。」
驚いたように僕を再度見る。あ、そういえば僕も挨拶をしないとね。
「初めまして。ラケシス様。フォルトゥナ様の使徒をしております、ガイウス・ゲーニウスと申します。歳は12です。」
「うむ。しかと覚えたぞ。して、この駄神をどうしてくれようか。滅するか?」
「そんなことしたら、地球が崩壊してしまうわよ。それを止めるために、私はあの世界を管理したいとは思わないわ。
「そう言われると・・・、嫌ではあるな。滅するのはやめにして痛めつける程度にしよう。」
「それがいいわ。」
うん、地球の神様、助かってよかったね。そして、女神様同士の話しが一段落したみたいなので、僕の新しい【能力】について再度、質問だ。
「フォルトゥナ様、結局、【
「ああ、ごめんなさいね。簡単に説明すると、【
「物騒すぎるので削除できませんか?」
「無理ね。コイツが貴方の魂と結びつけてしまったの。もし、削除するなら貴方の魂を削ることになるわ。」
「えーっと、それって、死ぬってことですか?それとも寿命が短くなるとか。」
「いえ、それはないわね。ただし、凄まじい激痛を伴うの。骨折とか胸に剣を刺されたとかの比じゃないわよ。文字通り、魂を削るのだから。もし、削れば、ガイウスの身体全体を常人では耐え切れない痛みが襲い、高熱も出るでしょうね。落ち着くまでは意識も保っていられるかどうか・・・。」
「あの、過去に暴君とか呼ばれていた君主は【
「うーん、少し待ってね。」
そう言って、フォルトゥナ様は空中に指を走らせ何かをしている。
「調べてみたけど、そうね、その通りだわ。ほとんど全員が持っていたわね。」
「僕の記憶違いで無ければ、そういう暴君って無辜の民とかも普通に手をかけていたと思うんですけど。」
「ええ、そうね。」
うわあ、どうしよう。いや、でも選択肢ないよね。以前、勝手に付けられた【統べる者】とかとは次元が違うよ。削ってもらおう。
「フォルトゥナ様、僕の魂を削って、二つの【能力】を消してください!!」
「・・・わかったわ。では・・・。」
「フォルトゥナ殿、待たれよ。」
ラケシス様が地球の神様の顔を踏んで僕に近づく。そして、僕をしげしげと見て言う。
「我のほうが上手くできると思う。こちらの世界での7日間~10日間は先程の症状に苦しむだろうが。」
「なら、貴女に頼もうかしら。私だと1カ月は動けないと思うから。」
「うむ、任された。ガイウスもそれでよいかね?」ラケシス様が問うてくる。
「はい、お願いします。」
真っすぐと眼を見てお願いする。ラケシス様は優しい笑みを浮かべて、
「では、始める。気持ちは楽にな。この空間では痛みは感じない。戻ってからが本番だと思って欲しい。」
「はい。」
ラケシス様は僕の胸に両手を入れる。それをゆっくりと引き抜くとなんかグニャグニャと蠢いているモノが出てきた。
「これが僕の魂・・・。」
「うむ、まだ若く、発展途上ゆえに形が定まっておらんのだ。だが、どこに先程の2つの【能力】が結びついているかはわかる。まだ、結びついてから時間が経っておらんからな。」
そう言って、ラケシス様は何もない空間から金色に輝くナイフを取り出す。そして、そのナイフであっという間に僕の魂を2カ所削り取った。削り取られた魂はフォルトゥナ様が回収して、「邪気とならないように無に帰すわ。」と言って作業を始める。
そして僕の魂本体をラケシス様がゆっくりと僕の身体に収めていく。それで、処置が終わった。すると、僕の身体が寝ている僕に戻るような感覚が生じ始めた。僕が慌てていると、フォルトゥナ様が僕の頬に手を当てて、
「魂を削ったからよ。大人しく養生していないいなさいね。」
と言い、ラケシス様は笑顔で、
「この駄神は、我とフォルトゥナ殿でしっかり折檻するゆえ、安心するがよい。」
と言いいながら逃げ出そうとしていた地球の神様を捕まえて、地面?に叩きつけていた。
そして、僕は全身に降りかかる痛みと共にクレムリンで目が覚めた。叫ばなかったのを褒めて欲しいよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます