第80話 王都へ
とりあえず返答をしないと、
「えっと、それはプライスラー子爵家の下に着くということですか?僕は、こちらのクリスティアーネ・アルムガルト様と将来を約束しています。僕としては、アルムガルト辺境伯様から授爵してほしいと思っています。」
ええい!!こういうのはストレートに聞いてしまえ。貴族相手に腹の探り合いなんてしてられるか。こちとら、一国を潰すことのできるメンバーが
「いえ、我が家の下にはつかず、独立した騎士爵として扱われます。アルムガルト辺境伯様もそのように
「嫌です。」
即答だった。やっぱり面倒くさい案件だったー。いや、王様と会うなんて壁が高すぎますよ!?僕、ナトス村から出てきてインシピットで冒険者登録してから7日目のペーペーの12歳の子供ですよ!?ちなみに、他のみんなも驚いている。
あー、でも、盗賊団を潰して、ゴブリンキングと集落潰して、オークロードと集落潰したついでに
断りの僕の言葉を聞いて、ベルタさんは困ったような顔をして、
「実は王都にも、もう話しは行っているのです。助けていただいたあの日にアンスガー・アルムガルト様からこの件の提案があり、私の父に話したところ、すぐにアルムガルト辺境伯様にお話がいきまして、
アルムガルト辺境伯親子ー!!というか、アンスガーさん!!やってくれたな!!逃げ道がどこにもないよ!!
「国王陛下からのお返事は?」
「もちろん、いただいております。“是非とも小さき勇敢なる者に会いたい”と仰せだったそうです。」
たった3日で決まるなんて・・・。いや使者の行き帰りを考えればもっと短いかな。王宮の偉い人たちも何を考えているんだか・・・。あー、もうそこまで決まっているのなら仕方ないよね。
「わかりました。そのお話しをお受けします。」
「ありがとうございます。ガイウス殿。金銭でのお礼も後日させていただきます。」
「いや、そこまでしていただかなくとも・・・。」
「本当なら、当代限りの騎士爵ではなく、男爵を申請していたのです。それを準男爵でもなく騎士爵など・・・。
「でも、アルムガルト辺境伯家も口添えをしてくださったのでしょう?なら、仕方がないのでは?とにかく、ベルタさんが気になさることではないかと。」
まあ、よく物語とかで出てくるドロドロとしたやり取りが王宮内であったんだろうね。辺境伯家からの推薦を潰せるくらいの。まあ、僕には関係ない。いや、騎士爵を授爵したら少しは関係してくるのかな。はあ、クリスとの約束が無ければ、とっとと
「ところで、日時とかは決まっているのですか?」
「はい、急で申し訳ないのですが、
「えっと、女性陣には乗ってもらいましょうか。僕とアントンさんは騎乗しましょう。」
「おう、任された。」
「それでは、そのように。みんな宿に戻り、出発の準備を。」
「「「「はい。」」」」
「王都では、アルムガルト辺境伯家の屋敷をご利用していただけるようです。アンスガー・アルムガルト様が、“迷惑料の先払い”と言っていました。」
ほう、気をまわしてくれたようだ。中身を取り出すのは今回は許してあげよう。さて、忙しくなるぞ。
「ベルタさん準備があるので僕はこれで。馬車とはどこで落ち合えばよろしいですか?」
「王都側の門に待機させてありますので。こちらをお持ちください。当家の紋章を刻印した短剣です。こちらを見せれば、御者にも伝わりますし、王都でも不自由しないと思います。」
「ありがとうございます。では、お借りしますね。」
「いえ、この短剣もお礼の1つとして受け取って頂ければと思います。」
「えっ!?こんなに綺麗に装飾されているモノをですか。」
「だからこそです。どうぞお受け取り下さい。」
「重ね重ね、ありがとうございます。それでは、
「ありがとうございます。ガイウス殿。道中、お気を付けて。」
さて、まずは鎧の新調からだなあ。それと、“鷹の止まり木亭”のアンゲラさんに数日、部屋を開けるからキープのための前金を払っておかないとね。戻ってきたら宿が無かったなんてなるのは嫌だもんねー。
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