第39話 将来の目標が決まりました
「どうかしましたか?クリスティアーネ様。」
笑顔を作りながら、クリスティアーネ様に尋ねる。彼女は小首をかしげながら、
「用がないとガイウス殿は、
と聞いてきた。質問に質問で答えるのはズルい。僕は真正面から、彼女の綺麗な目を見ながら、
「クリスティアーネ様にはまだ、婚約者がいらっしゃらないとお聞きしました。そのような状況で、いくら未成年とはいえ、男である自分と2人でいるところを見られるのは、よろしくないのではないでしょうか?」
「フフフ、私に婚約者がいない理由など、この
ヴィンフリート様なにやっているんですか。と叫びたくなった。
「
「恐悦至極にございます。」
「
そんな潤んだ瞳で見つめないでください。恥ずかしいです。あぁ、僕はどうすればいいのか。なんで僕なんですか。誰か助けて。
「姫。ガイウス殿がお困りですぞ。」
「バウマン団長。
「姫。妻帯者たる自分から言わせていただくと、恋と云うものは人を盲目にさせます。ここは、一度、ガイウス殿と距離を置き冷静に考えるべきかと。」
あぁ、コンラート団長、ありがとうございます。助かりました。取り敢えず、この場で返答はせずにすみます。
「それに、ガイウス殿にも時間が必要かと。」
ヘッ!?どういうこと!?
「ガイウス殿の功績は確かに素晴らしいものです。しかし、それは12歳の9級冒険者としての話です。盗賊やゴブリンキングの討伐、準3級冒険者にギルドマスターとサブギルドマスターとの試合の勝利、そして、今日の模擬戦の勝利。確かに凄まじいものではありますが、まだ、足りませぬ。」
「父上は、十分だと思っているようですけど。」
「確かに、自分の目から見ても十分だと思います。しかし、世の中それで良しとしない者もごまんと
あっ、僕の味方はこの会場にはいないんだ・・・。
「ガイウス殿!!」
ズズイとクリスティアーネ様が近づきながら呼びかける。
「はい、なんでしょう?」
「ガイウス殿には成人するあと3年のうちに功績を打ち立て、
「その、辺境伯様やヴィンフリート様のお許しが出ないのでは・・・」
「「もちろん、許すとも可愛い娘(孫娘)の願いだ。」」
後ろを振り向くと、ダヴィド様とヴィンフリート様が笑顔でおられた。もしかすると、全部、聞かれていた?
「「それで、ガイウス殿はどうなのかな?クリスティアーネでは不満かな?」」
あぁ、お2人の背後に龍が立ち上るのが
「クリスティアーネ様は可憐で魅力的で素晴らしい女性だと思います。身分の差が無ければ
正直に思っていることを、大声で言ってしまった。一瞬で会場が静まり返り、すぐにダヴィド様とヴィンフリート様の笑い声が響く。
「聞いたか、ヴィンフリートよ。」
「はい、父上。」
「皆の者、この場にてガイウス殿を我が孫娘クリスティアーネの婚約者候補とすることをここに宣言する。ガイウス殿には夫となるにふさわしい功績を成人となる3年間の間に積んでもらうこととなる。儂はそれを心から願う。」
静まった会場にダヴィド様の声が響き、それに遅れ一斉に拍手が沸き上がる。取り敢えず、村を出て3日目で婚約者ができました。これが能力の【フォルトゥナの祝福】おかげかなぁ。
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