第10話 やっと冒険者になれる?
盗賊の死体を【収納】して、財貨は金貨が89枚、銀貨が171枚、銅貨が365枚あったのでそれを3等分した。僕は呂布の分もということで金貨30枚、銀貨71枚、銅貨165枚を貰った。かなりの大金だ。僕の村だと1年ぐらいは遊んで暮らせる。呂布は召喚した人だからいらないといったんだけど、召喚主の正当な取り分だと言われてありがたく貰った。他の装飾品とかは換金してからわけることにしてこれらも【収納】した。そうして、ある程度の整理と片付けが終わったところで森を出て町に行くことになった。
町に向かう前にローザさんとエミーリアさんの2人にもともと依頼で森に居たんじゃないかと問いかけると、「ゴブリン退治でもう終わっている。」とのことだった。盗賊と鉢合わせしたのはその帰りだったらしい。結果としてかなりの臨時収入を得たのだけど僕が駆けつけなかったら危なかったと言われた。改めてお礼を言われたけど、盗賊のほとんどを倒したのは呂布だから何ともいえない気分になった。呂布については森を出るまでは送還せずに召喚したままで居てもらうことにした。なんたって強いからね。もし、オークやオーガとか出てきても彼なら瞬殺してくれるだろう。
そうそう、呂布が盗賊を倒したからなのかその様子を見ていたからなのか僕のLvと【能力】のLvが上昇していたんだ。今のステータスはこんな感じ。
名前:ガイウス
性別:男
年齢:12
LV:18
経験値:87/100
体力:54(270)
筋力:52(260)
知力:50(250)
敏捷:52(260)
etc
・
・
・
能力
・召喚能力 ・異空間収納 ・見取り稽古 ・ステータス5倍 ・経験値10倍
・識字 ・鑑定 ・格闘術Lv.34(170)・剣術Lv.18(90)
・槍術Lv.10(50) ・弓術Lv.20(100) ・防御術Lv.23(115)
・回避術Lv.22(110)
ん~ステータス5倍のおかげで凄いことになってるなぁ。それでも呂布には及ばないけど。改めてチート無しであのステータスと能力の呂布って凄い。地球の人たちってあんな感じの人が多いんだろうか。だとしたら召喚能力をくれた地球の神様には感謝だね。
雑談しながら森を進む。ちなみに盗賊その3は縄で縛られてローザさんに引かれてついてきている。ほどなくして森の外縁に着いた。呂布とはここで一旦お別れだ。
「呂布、今回はありがとうね。また召喚すると思うからその時はよろしく。」
「はっ。お力になれたようで何よりでござる。」
「それじゃ送還するね。」
呂布の足元に魔法陣が現れ光と共に彼は地球へと還っていった。みんなでそれを見届けるとすでに外壁が見えている町へ向かう。小一時間ほど歩くと町の門に着いた。入り口では町に入ろうとする人が並んでいて衛兵が入る人の検査をしている。村ではそんなことしてなかったから少し緊張する。兵士の人だって初めて見るし。ローザさんとエミーリアさんが事前に教えてくれなかったら挙動不審な不審者になっていたかも。
僕たちも列に並びすぐに順番が来た。
「身元の確認できるモノを提示しなさい。」
ローザさんとエミーリアさんは冒険者証を、僕は村長が発行した木札を見せた。
「確かに確認した。後ろの縛られている男は?」
「盗賊です。実は・・・」
「待ちなさい。そういうことなら詳しい話は長くなりそうだから詰所の中で聞こう。着いてきなさい。」
僕たちは衛兵さんの後ろをついて行って詰所の中に入った。僕とローザさんとエミーリアさんは席を勧められたので椅子に座った。盗賊その3は別の衛兵さんが別室で取り調べると連れていった。衛兵さんはドルスさんというらしい。僕たちはドルスさんに一連の出来事を話した。ただし事前に僕の【召還能力】と呂布については伏せることにしていた。厄介ごとに巻き込まれても嫌だからね。
ドルスさんは僕たちの話の要所をメモしていく。最後まで話し終わると「よし」と言って顔をあげた。
「報告書はこれで書けるが、君たち3人で23人もの盗賊を退治したとは信じがたいなぁ。12歳の少年に7級の冒険者2人だけ・・・・。何か隠し事とかあるんじゃないかい?」
やっぱり、怪しいと思われるよね。仕方がない事前に決めてた通りに答えよう。
「実は僕、お話ししたよりもっと剣とか弓、格闘術が使えるんです。どこかでお見せしますよ。」
僕はなるべく自信があるように胸を張って言った。
「ふむ、それなら練兵場・・・いや、冒険者ギルドの練習場で君たちの実力を見せてもらおうかな。ガイウス君は冒険者登録も出来るしどうだろうか?」
「僕はそれでかまいません。」
「私も大丈夫よ」
「私も問題ない。」
「それじゃあ、今から行こうか。日があるうちに仕事は片づけたいからね。」
ドルスさんが立ち上がり詰所から出ていく。その後を僕たち3人はついて行く。始めてきた町の様子にきょろきょろしながら進んでいると冒険者ギルドにはすぐ着いた。ドルスさんはそのまま扉を開け受付までいくと、
「ユリアさん。今、練習場は空いているかな?少し使わせてほしいんだ。」
「えぇ、空いてますけど何にご使用で?」
「ちょっとしたテストをね。」
ユリアさんという受付のお姉さんに練習場の使用許可を得ると、僕たちを手招きし、
「さぁ、テストの時間だよ。」
と言った。
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