第四回放送テーマ【木こりの斧】
*この物語は販売員として幾多の伝説を築き上げた金髪ガイルスタイルのムキムキマッチョマンの変態であるドュギュネスと。
グラマラスボディの潤艶ピチピチ十頭身アシスタントであるジェニファーの二人からなる大人気異世界通販番組である。
★
ここは私達が暮らす地球とは違う場所。
人ではなくモンスターが暮らし、命の危険があるとてもとても危険な場所。
そう――異世界。
本日のロケ地は広大な草原でも、燃え盛る火山地帯でも、宝のある大迷宮でもない。
ここは人里から離れ木々やな囲まれたのどかな湖。
「どうしたのドュギュネス? こんな
「
「ロマンチストで素敵ねドュギュネス、貴方って本当にイケてる
「そうだろジェニファー! それでは今日から発売される我が社の自信作を紹介するZE★。この〝斧〟さ★」
「あっあら……ドュギュネス? 貴方にしては随分地味で
「
そう言ったドュギュネスは、斧を強く握りしめて木へと振りかぶった。
しかし――ドュギュネスのスーパーストロングスペシャルパワー略して〝
こうして、斧部分だけが湖に落ちたのだ。
すると、湖全体が黄金色に輝きだす。
『パァァァッ』
中からは、この世の絶世の美女でも霞むほどの女神様が現れた。
「この斧を落としたのは、貴方ですね? 私は湖の女神。貴方が落としたのは、このなんの変哲もない鉄製の斧ですか? それとも――」
しかし、プロたる二人は女神と眼があっても、顔色を一つも変えることはなかった。
大人気通販番組で部外者乱入と言う、生放送中の事故は決してあってはならないからだ。
続けて商品の説明をするドュギュネス。
手元には、何やらコンパクトな赤いボタンがある。
「見ていてくれジェニファー」
「どうしたのドュギュネス?」
妖艶に首をかしげるジェニファー。
今日も唇が
『ポチっとな』
『キュインッ!!』
「ほら、元通り手元に戻ったろ!?」
「えっ、凄いじゃない」
「
そう言って再びドュギュネスは、斧を強く握りしめて木へと振りかぶった。
しかし――ドュギュネスのスーパーストロングスペシャルパワー略して〝
こうして、斧部分だけが再び湖に落ちたのだ。
『シュパッ、チャポン』
『パァァァッ』
「この斧を落としたのは――」
『キュインッ!!』
斧が手元に戻る。
↓
女神が再び湖の中へ
「わぁ、楽しそうだわ♪私もやりたいわ♪えいやっ★」
そう言ったジェニファーは、斧を優しく握り木へと振りかぶった。
しかし――ジェニファーのスーパーセクシースペシャルパワー略して〝
こうして、斧部分だけが湖に落ちたのだ。
『シュパッ、チャポン』
『パァァァッ』
斧が湖へ沈む
↓
女神が銀の斧と金の斧を持って出てくる。
「この斧を落とし――」
『キュインッ!! キュインッ!!』
斧が手元に戻る。
↓
女神が再び湖の中へ
今度は二人で斧を持ち振りかぶる。
ウェディングケーキに入刀が如く初めての共同作業みたいだろ★
「
『シュパッ、チャポン』
『パァァァッ』
斧が湖へ沈む
↓
女神が銀の斧と金の斧を持って出てくる。
「このぉ――」
『キュインッ!! キュインッ!!』
斧が手元に戻る。
↓
女神が再び湖の中へ
「ほいさっ★」
『シュパッ、チャポン』
『パァァァッ』
斧が湖へ沈む
↓
女神が銀の斧と金の斧を持って出てくる。
「 う ざ い 」
女神が銀の斧と金の斧を音速で投げるも、背中を向けたドュギュネスの超人的反射神経により避けられる。
以下、無限ループが繰り返され――それから一週間後。
ドュギュネスとジェニファーの足元には大量の……
ある日の生放送にて。
「本日は、この〝金の斧〟と〝銀の斧〟をセットにしちゃうぜ」
――どこに行ってもボタン一つで戻る〝斧〟と資産価値のある〝金の斧〟〝銀の斧〟とセットで99800円+思いやりとなっております。
TEL→
*今から十五分間、オペレーターの人数を増やしてお待ちしております。
*沢山の方がご購入のため生産が間に合わなくなっておりますが、湖に斧を自動で投げ入れる機械があるため品切の恐れはありません。
*この撮影以降、カメラマンのトムが三人に増えていました。
*原因は不明ですが全身が
*尚、高性能カメラは純金のため20xx/
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます