実体験(だと思う)
:-)
実体験(だと思う)
みんな「きさらぎ駅」って聞いたことある?
一時期話題になったあの駅。
俺さ、この前その駅行ったっぽいんだよね。
話聞きたい?別に俺は構わないけど。
ちなみに、この話聞いた後にどーなっても知らないから。
えーっと、あれ?いつだっけな。とりあえず、その日は…あ、そうそうダチのとこまで出かけてたんだわ。そんで、日が沈んだし、ダチと別れて帰ろうとしたんよ。え?日が沈んでも遊べるって?
無理無理wうちの住んでるところは列車が1時間に1本来るか来ないかなんだよwつまり乗ろうとしてる列車逃すと、ワンチャン帰れなくなるってことw
そんで、その日は帰る寸前でダチとだべりすぎて列車逃しちゃったんだよwwしかも、俺が構内に着いたタイミングで行きやがったw
まぁ逃しても1時間待てばいいやーって完全に田舎の考え方で待ってたのよ。でも、2時間くらい経っても列車の音すら聞こえんのよ。
ん?と思って時刻表見たら、「〇〇:〇〇以降の列車は本日臨時運休しています。」って張り紙があったんだよww
やべぇ帰れねぇじゃんって結構ガン萎えしたんだよね。もう列車来ねぇし、親に連絡入れようとしたら充電死んでたし、寒いしで、トコトンついてねぇなぁって嘆いてたら、遠くからカタンコトン…カタンコトンって聞こえるわけ。あれ?と思って線路みたら、来たんだよ。列車が。もう勝ち確定。よくよく考えたらちょっと錆び付いててライトも消える寸前で、おかしい列車だったんだけど、その時は帰りたい一心で他のことが吹っ飛んでたから、飛び乗った訳。
列車の中には数人しかいなくて、みんな俯いてた。みんな疲れてんだなぁみたいな感じて気にはならなかった。まぁ俺の家の最寄り駅まで30分くらいかかるから寝よーと思って寝たのよ。
そんで、もうそろ着くかなー?って感じで起きて、腕時計見たら1時間経ってたのよ。やっべー寝過ごしたと思ったんだけど、あれ?って思ったの。ダチの所の駅から1時間も列車に揺られたら、とうの昔に終点に着くはずなの。
あれ?この流れ聞いたことあるな…あ!「きさらぎ駅」だ!って思ったわけ。オカルト好きの俺からしたらラッキーイベント。家に帰りたいなんて微塵も思わなかった。頭の中は「きさらぎ駅」の事でいっぱいいっぱい。
片足無くした猫がいるのかな?卒塔婆の列ってどんなだろ?誰にも言葉が通じないってヤバくね?なんて。
もう好奇心MAXで待ってたわけ。
車内広告も文字化けし始めたし。
あ!頭タコみたいな奴いる!
こっちは悪魔の羽生えてるやん!
凄い…女神様。本物だ…。
すげー!ファンタジーじゃん!
早く駅につかないかなぁ。
でも、
列車は進み続ける。
もうレールは存在しないのに。
心なしか車内灯も暗くなってきた。
頭タコの人は床でのたうち回りだした。
悪魔は自分の羽を無理矢理引きちぎった。
女神は憎悪の表情を浮かべ、どこの言語か全く分からんお経じみた単語を唱え始めた。
あぁ…頭が鉛みたいに重い。
なんで俺はこんな話してるんだ?
ここはどこだよ。
「次はー、$#❀℃@?¿∑。$#❀℃@?¿∑。」
あぁ…もう駄目だ…
タ…す…ke…手……
って話を今度友達に話して怖がらせようと思うんだけどどうだろ?
え?つまんないって?そんな事言うなよーw
折角、列車の中で作ったのにー。
実体験(だと思う) :-) @lurippi
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