「僕と私」と『ボクとワタシ』
暗闇研究所
第1話 雨
ぴちゃぴちゃと雨が降る音が聞こえる。
「止まないね・・・、雨・・・。」
僕は君に対して呟いてみた。
「そうだね・・・。」
何となく悲しそうに聞こえる。
アスファルト舗装された道にたくさんの水たまりができている。
家に帰るときに水たまり踏みたくないなぁとか思いながら静かに雨宿り。
傘を持ってき忘れた結果がこれだ。
寂し気に響く雨の音、水たまりに映る街の景色は暗そうだった。
私は少し気になった。
貴女はいつも元気そうなのに今日は少し物悲しさを感じさせる。
どうしたんだろうと思うが、何も出来ない。
私の悪い癖だ、決断力が無くて見なかったことにする。
・・・、どんどん悪い方向に考えちゃいそう・・・。
少しだけ考えることを変えてみよう。
今日は雨の日だ。
雨が降りそうとか思ってたら実際に降ってきた。
私が悪いことを考えると実際に起こってしまうようだ。
多分これは偶然なんだろうけど・・・。
「はぁ・・・。」
「ん・・・、どうしたの?」
私の小さなため息に気づき、声をかけてくれた貴女は普段通りに見えなくもないがやはりどこか変だ。
何か悩んでるのかもしんない・・・、私はそう思った。
「いや、雨だから少し暗い雰囲気になるねって。」
「・・・、確かにそうだね・・・。」
やっぱりどこか貴女は暗そうだった。
らしくないときは嫌なことが起きそうだなぁ・・・。
私はまた悪い事を考えてしまったようだ。
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