女子高生、宝くじを買う。
夏戸ユキ
1・はじまり・宝くじを買ってみた。
気がつくと、私はいつも彼を目で追っている。
そんな気持ちに気付いたばかりの翌日。
私は寒空の下、大型ショッピングモールに向かって歩いていた。目的はただ一つ。宝くじを買う為だった。
宝くじなんて買った事なんて一度も無かった。しかし当たる人は当たるらしい。どうせ当たらないと思って今まで買おうともしなかったが、買いたいと思ったきっかけがあった。
そのきっかけとは、どうしても欲しいものがあったからだ。その欲しいものとはとても私だけの力では手に入りそうに無かった。私が強力な力を手に入れるとしたら大金を得るしかないと思ったのだった。
こんな私でも、ぴちぴちと言われる女子高生で、女子高生が一人で、宝くじの売り場で宝くじくださいと声をかけるのは、なかなか抵抗があった。声をかけた瞬間、パトカーが鳴って警察官が来て手錠をかけられてしまうんじゃないか?と思うくらい緊張するあまり、私はわざと人が少ない平日の午前中にここに来ているのであった。警察に声をかけられている所を誰かにツイートされたらどうしよう。
冷静に考えれば高校生が宝くじを買ってはいけない訳ではないのだから、堂々としてればいいのだったが。
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