第2話 共通語の贈り物

天球最初の探索地点に選ばれたのは日本の瀬戸内海のような場所だった。

無数の島が浮かび、大陸からも離れている場所。


そこで無人島(?)を拠点にすれば天球の生態系は極力乱さずに済む。

さらにマウ自身も野生動物などから安全を確保しやすい。


マウは資材が先に不時着した海岸を目指して降下している。

資材はうまく海岸沿いに落ちてくれた。



天球にも生命が居る事は予想されている。

だが地球人がモールス信号などあらゆる電波交信を試みても返事は無かった。


もし知的生命体、文明がすでにあったならどうファーストコンタクトを取るべきなのか?

侵略ではない事を表す方法はあるのか?


採用されたのは音楽だった。



マウは資材へと合流し無線で地球へ連絡を入れる。


「不時着に成功、資材も問題なし。

オルゴールを設置し、鬼ヶ島へ移動する。」


異星への最初の贈り物。


それは地球から来たことを外装に記した頑丈なオルゴール。

静寂した自然界で決まった時間にクラシックが鳴り響く箱だ。


そしてそれを知的生命体に発見してもらう作戦でもある。


マウは無人島から双眼鏡でその様子を観察し、接触を試みるのだ。

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