祭りに行く少女

久保 奈緒

第1話

 激しい車の音に圧倒されて、私は歩道橋の上から落っこちる。


 ぽとり。


 ぽつり。


 真っ青な空模様が見えた。

 ゆっくり時間が経過しているような気分だ。

 この浮遊感を誰かに味わって欲しい。


 ふわり。


 くらり。


 身体がぐしゃりと言う。不思議と痛みはなかった。

 トラックのライトが私を照らす。それが私には天国の光に見えた。


 ぴかり。


 ひゅるり。


 真っ暗になる。

 そして気づけばまた歩道橋に私はいた。

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