第2話
場所は北海道の札幌、9月頃の話。
男は大学4年生であった。勉学はさぼりがちで留年が確定していた。
何に対しても本気で取り組めない男だ。
男は1年生のうちに必修でとらなければいけない英語の授業を4年生になっても取れていなかった。
男は「そろそろ流石にでないといけないか」と思い渋々英語の授業にでることにした。
英語のクラスには約20名ほどの出席者がいた。
英語の授業はまず出席確認からはじまる。まず真っ先に、ある女の子の名前が呼ばれ、男の後ろに座っている女の子が返事をした。
男は特に何も考えなかったが次に自分の名前が呼ばれた。
男は違和感を感じた。
「もしかしたらこれは学年順に名前が呼ばれているのではないか」
その考えを持ったまま授業が始まった。
第一回目の英語の授業の内容は評価の方法などのガイダンスを行ったあと周りの席に座ってる学生同士で英語でお互いに自己紹介することだった。
男がいるグループは、先ほど最初に名前を呼ばれた女の子と私の近くにいた男の子の三人のグループだった。
英語を使ってやるはずの自己紹介のはずなのに男達のグループは日本語で各々自己紹介をした。
男は言った
「私の名前は~です、よろしく」
なんともやる気のない自己紹介だ。
次は女の子の自己紹介だ
「私の名前はルリです、よろしく」
と男の真似をするように名前だけ答えた。
男は好奇心からルリと名乗る女の子に質問した。
「俺は四年だけどルリさんは何年生?」
ルリは答えた
「私も四年生!あなたの年齢は?」
男は嬉しそうに答えた
「22歳、ルリさんは?」
ルリも嬉しそうに答えた
「22歳!ただ私は留学していたの、誕生日は3月だからあなたより一つ上かな」
男は思ってもいなかった。
一年生の授業で四年生の自分より一つ年上の人間がいるとは
男とルリは自分達がどれだけアホなのかで盛り上がり、笑いあい、仲間意識のようなものを感じていた。
男とルリはまた来週の授業で会おうとお互い笑いあい別れた。
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