鷹と一緒に異世界転生！ 〜相棒任せの大冒険〜

第2話 魔獣の森

『こっここは、私は確か川で水浴びをしようとしたらビリっときて……』

　キョロキョロと辺りを見る女性

「あっ起きた！　蘭！　女の子起きたよー！』

　目を覚ましてくれて良かったああ。死んでたらどうしようかと思ったよ。魚釣りで人殺しなんて洒落にならん。ニュースに出ちゃうよ、異世界にニュースがあるか知らないけど。

『不思議な言葉、あのここは？　君の家なのかな？』

　何語だ？　そういえばここは異世界、日本語が通じるはずがなかった。やっべ早速ピンチ！　ジェスチャーしても良いが多分伝わらない。

「蘭えもーん翻訳こんにゃく出してえええ」

「洋一の馬鹿、そんなもんないよ。今言語理解の魔法かけるからじっとして」

　蘭と家の外に一旦出る、そして言語理解の魔法をかけてもらう。

　やっぱ蘭は優秀だ、うんうん。

「あーこれでわかりますか？　俺の名前は柊洋一、41じゃなかった、12歳。こっちは相棒のクマタカの蘭って言います。宜しく、お嬢さん」

　出来る限り丁寧に言ってみた。

「ヒイラギヨーイチ？　12歳でこんな立派な家に何故1人で？」

　不思議そうな顔をしている、そりゃそうだろうな見た目子供だしな。

「洋一が名前だから洋一でいいですよ。訳あってここに飛ばされて、今日から2人暮らしを始めたって訳なんです」

「なっ、ヨーイチ、君はここが魔獣の森と知っているの⁉︎ 」

　お姉さんが顎が外れるくらい、びっくりしてる。

「魔獣の森？　ゴブリンの森じゃなく？」

　魔獣ってまだゴブリンしか見てないしな、初心者向けの場所じゃないのか？

「ゴブリンも確かに居るけど、ここは平均して魔物のレベルがかなり高いんだよ？ 本来は踏み入れては行けない禁足地なの」

　真剣な眼差しも可愛いんだがあのクソビッチめ

「ゲッ。あのクソビッチまじで殺す気だったのか。蘭が来てくれなかったら即ゲームオーバーだったな」

「げーむおーばー？　そのクソビッチが何かはわからないが、街や村へは行かないのか？ こんな危ない場所に君みたいな子供がいるなんて……」

　ハッとして口を閉じる金髪お嬢様、何だ？ 私、全てわかりました的な目を俺に向けて……あれ涙目だぞ？

「わかりました、詳しい事情は聞きません、きっと辛い思いをしたのですね。でも、もう大丈夫！　私が貴方に、寂しい想いはさせません」

　キリッとした表情でそう言うと、金髪お嬢様は俺を抱き締め、おっぱいに顔を埋めてくれた。

「フヒッ」

　天使の様な柔らかさに、邪悪なオッさんの俺がひょっこりと顔を出してしまう。

「今変な笑い方しなかった？」

　金髪お嬢様が冷たい目をしている、ヤバイ誤魔化さなければ

「あっあの、女の人に抱き締められたのは母以外無くてその」

「ああ！ ごめんね！ そっかじゃあ恥ずかしいよね。つい弟を思い出してしまって。そうだヨーイチに助けて貰った御礼をしたいんだけど」

　慌てふためくお姉さん。御礼何て受け取れない、何故なら加害者はこちらなのだから。誠心誠意謝ろう。おっぱいに邪な気持ちを抱いた分も含めて。

「いっいえ御礼はいりません。こちらの不手際で感電させてしまったみたいですし！ 申し訳ありませんでした！」

「不手際？」

　冷たい視線をこちらに向けている

「はっはい、魚を取るためにバチバチっとやったら想像より広範囲に広がってしまったみたいで、そのお嬢様が感電してしまったみたいでしてはい」

「何!?」

「ひえっ！ すみません、すみません。わざとじゃないんです」

　日本人最終奥義である土下座をして謝った。

「あっああ。怒っている訳じゃなよ。ヨーイチが雷魔法を使った事に驚いちゃってね。だけどもう少し考えて使わないとだよ？」

「すみません、すみません！ 許してくださいお代官様あああ」

　土下座続行！

「オダイカンサマ？ 反省しているなら良いよ。元から怒ってないしね。それよりヨーイチはずっとここに住むつもり？ 」

　何だ怒っていなかったのか、良かったぜ。

「へっ？ 何れは何処か人里に行きたいんですが、その俺めちゃくちゃ弱くて、他の人の半分位しかステータスも無いんです。だから修行をしてから、移動しようかなって」

「修行？ 誰かに師事するの？　それとも1人で？」

「いえ、蘭と一緒に。蘭は相棒何です、俺より強いし賢いけど相棒だって言ってくれるんです。だから蘭に見合う男になりたくて」

　決意を固めた目で金髪お嬢様を見る。やっぱり可愛いなおい

「なるほど……」

　金髪お嬢様は顎に手を当て何か考え始める。

「ヨーイチ、私が鍛えましょうか？ 私はこう見えて探索者なの。それに魔法も剣も使える。ヨーイチがここから出たくないなら、私が一緒に暮らしても良いかな？ やっぱり子供1人で魔獣の森にほおっておけないし。もちろんヨーイチが良ければだけど」

　探索者？　冒険者じゃないのか？　

　金髪お嬢様と1つ屋根の下？ フラグの匂いしかしないぞ？ だけど蘭の事隠し通せるのかな？ 蘭やーい、どうしたらいいんだー？

「(洋一、人と触れ合うのは洋一には特に大事だよ。わかってるでしょ？ 私への言葉は念じれば伝わるから、とりあえずあの女性に教わろう。パワーレベリングの他にも技術が教われるなら、ありがたいでしょ？)」

　うおっびっくりしたあ、いきなり蘭の声が頭に響くんだもの、身体がびくっとしちゃったじゃないか。蘭は何でもありだな。あの某猫型ロボット何か目じゃないぜ。最新鋭は蘭えもんだ！

「あっあの本当に良いんですか？ ご迷惑になりませんか？ 僕お金ありませんよ？」

　一回は断りを入れておこう、あまり厚かましいのはモテないからな。

「もちろんお金は取らないよ！ 何ならエルフの神樹に誓うよ。ヨーイチが強くなって自信が持てるまで、私がヨーイチの先生。私の事はレイ先生って呼んでね？」

　小首を傾げながら先生って呼んでねって、マシンガンでハートを撃ち抜かれたよまじで。俺のハートは穴だらけ。

「良し、先ずは素振りとランニングから始めよグウウウ」

　すげえ音だ地鳴りかと思った。

「レイ先生今のは？」

「何でもなグウウウ」

　レイ先生は顔を真っ赤にして下を向きながら

「先ずはご飯にしましょう」

　と小声で言った。

「それにしてもデカイ音鳴りますね、外じゃ目立っちゃいますね！ あぎゃ！」

　注意しようとしただけなのに、俺は顎に掌底を撃ち込まれた。痛い、顎が外れるかと思ったぞ。

「どうしてヨーイチはデリカシーがないの？ ダメよ、女の子にモテないわよ？ 」

　プリプリと怒っている姿がめちゃくちゃ可愛い。

「ハッハッハッハ」

　今までオカマにしかモテたことがない俺は笑って誤魔化した。