15
何も考えてない彼女の表情を見て、
こんな子供に自分の運命を
終わった・・・
何もかも終わった・・・
人は本当に諦めると
そんな僕を不思議そうに見つめつつく幼女。
鼻を
髪型を変えたりと好き放題してたが、その内
まったく反応しない僕に興味を無くしたのか、
彼女は一人で何か機械をいじくり出した。
『バラストタンク
少女がそう言って何かのレバーを引くと、
船体の左右から勢いよく水が吹き出し始めた。
それに
ぷかぷかと船体は海水の上で浮かび始めた。
「あれ?浮いてる!?
動かないんじゃなかったの?」
『電気系統は動かないよ。
手動で弁を開けて海水を
風呂の
人間の力だけで抜けるのと同じ』
「浮いてるの?」
『うん。バラストタンクの中の水出したから』
「バラストタンクって何?」
『浮き輪見たいなもの。
浮き輪の中に入ってた水を出したから、
軽くなって浮いた。
水の重みで勝手に排水していく』
そう言っている間にも、
二人を乗せったカプセルは
流されていた。
津波が近いのか!?
津波の良く知られている
それは自然の引き潮と違って、
目に見えて急激に始まる。
引き潮が始まっているのだとしたら、
津波が近いのだ。
「これ動いてない?」
『動いてるよ』
「流されてるって事?」
『違うよ、目的地に向かって進んでる』
「これ動かないんじゃなかったの?」
『うん。動かない』
子供って何を言ってるかわからない・・・
『船体自体は動かない。
だからピーピーとキーキーに、
浮いてるからそんなに重くない。
軽くて丈夫なカーボーンケーブルで
引っ張って
海の中の馬車のようなものかと
引いてるのは馬じゃなく
トドやセイウチなどのアシカ化になる。
そっちのほうが
海馬って感じじゃない。
この
イルカを海馬って呼んだほうがいいと思うのだが。
『揺れるからシートベルトして』
そう言った彼女は
窓の外では船体がもの凄いスピードで進んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます