第221話 ダンジョン3

「流石タクミ様です」

「瞬殺でしたねー」


ジャイアントハーフの聖騎士リンとブラックジャガー獣人のノワが、サイクロプスを倒した俺を讃える。


「いやー、聖剣で首を刎ねられなかったんだよねぇ。しょうが無いから目に突き刺したけど、これは普通の冒険者では倒せないな」


「そうだったんですかー」


そう言うと、俺はサイクロプスの死骸をアイテムボックスにしまっていたら…。


「あ、報酬が出ました」


淡い光と共に討伐報酬が入った宝箱が現れた。


「どれどれ」


鑑定で罠が無い事を確認し、宝箱を開けると、討伐報酬は『破砕の大剣』。


鑑定してみたら呪いの武器だった。攻撃力は高いが装備すると解除出来ず、偶に動けなくなる。


しかも剣なのに斬らないで破砕って何なの?

ハンマーじゃないんだから。ねぇ。


うん、使えねぇ……、はぁ。


「ダメだこりゃ、次行ってみよー」


31階から34階まではサクッと進み。35階のボス部屋の扉前に到着。


「さあ、前人未踏の35階、鬼が出るか蛇がでるか……」


恐る恐る開ける扉。


一つ目の巨人よりは小さい姿の魔物が1体だけ立っていて、濃厚で邪悪な気配が漂う。


2本足で猫背で佇む。ライオンの頭にライオンの身体と腕と爪。ワシの脚と鉤爪。背中に4枚の鳥の翼とサソリの尻尾。蛇の男根。


鑑定で見ると……、パズズ!!


バビロニア神話に出て来る風の魔神じゃないか!!


モンスターじゃないよぉ。


パズズの目が開き、ニヤリと笑ったと思ったら……。


ガキンガキン!!


一瞬で間合いを詰めて両手のライオンの爪が俺を襲う。


「やべぇー、リン有難う」


リンの『聖騎士の守りPaladin guard』が発動し爪を防いでいた。


「油断大敵です」


俺はすかさず時を止める。


パズズは一瞬のうちに元の場所に退いていた。


はえぇー。流石風の魔神。


普通に戦ってたら瞬殺されてるな。


リン様々です。はい。


まあ、幾ら速くても時を止めれば、大丈夫、動かないからね。


俺はアイテムボックスから聖剣を出してパズズの首を刎ねた。


アイテムボックスにパズズの死骸と聖剣をしまって、時を動かす。


討伐報酬は……、『魔力の帽子』魔法の消費魔力が減少するらしい。


魔女の帽子みたいに黒いつば広の三角帽子で、先端が折れ曲がってる。


呪いもないし、これは使えそうだったので、ノワにあげた。


「いいんですかー! ヤッター!!」


大喜びのノワは、早速かぶってご満悦の様子。


36階から39階もサクサク進む。


そして、40階ボス部屋前。


一つ目巨人が出て、パズズが出たら、次はアレだな。


アレ……。


そうです皆さんご存知のアレ。


そりゃここまで来たら……。ねぇ。


悪〇の神々でしょ。


犬の様な顔で角が2つに黄色の身体で、蝙蝠の翼にフォークの様な三叉槍トライデントを持つアレです。

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