第136話 カオーサ王子とミータ王女

俺達はマヒロシ王国王城の中を、第一王子カオーサの元に向かって歩いている。


途中で第三王子レクと遭遇し、レクも同行し俺の隣を歩く。


俺は王都で第二王女ラナと会ってから、今までの事をレクに説明した。


「はぁ、国王は神に召されたのですね。」


「うむ。それで後を継ぐ第一王子に会って、色々確認したいのだ。」


「そうっすかぁ・・・。それから、俺の騎士ジモ達を派遣して、ラナを連れ戻そうとしたんですが、兄貴に助けて貰ったっすね。」


「何!チモリグもお前の騎士かぁ!」


「チモリグ? ジモが連れて行った騎士っすか?」


「そうだ。俺に斬り掛かって来て、神罰を受けた。」


「ええええええ!」


レクは俺の前に回り込み、ジャンピング土下座をして、ペコペコ平謝りをしだした。


「すいません。すいません。すいません。」


レクの騎士とイカサはビックリして、レクを見ていた。


はぁ、こうして潔く謝れると怒れなくなっちゃうなぁ。


「まあ、良いよ。立ってくれ。」


「本当にすいません。」

レクは謝りながら立ち上がる。


暫く歩くと、

「この部屋にいるよー。」

ブラックジャガー獣人のノワが、扉を指差した。


「ミータ姉さんの部屋っす。」


「ミータ?」


イカサが答える。

「第一王女のミータ様です。私はここでお待ちします。」


「俺は同行するっす。」


俺はミータ王女お部屋の扉を開けた。


テーブルに貴族の男と女が座って紅茶を飲んでいた。多分、第一王女のミータと第一王子のカオーサだろう。


ミータとカーオサの背後にそれぞれ護衛の騎士が立っていた。


「あら、レクじゃない?その方はどなたかしら?」


レクが俺の隣に並んで会釈する。

「カーオサ兄さん、ミータ姉さん、此方は、冒険者タクミ様です。」


流れに乗って俺も挨拶しておく。

「冒険者のタクミです。」


「おお、私は第一王子のカオーサだ。君の噂は聞いている。是非一度お会いしたいと思ってたよ。」


「私は第一王女のミータよ。私も会いたいとは思っていたけれど、こんな急な訪問の理由は何かしら。」


「突然ですが、お聞きしたい事がありまして、お伺いしました。今、この国は国難にあっております。ミーズ村近郊の森に出現した悪魔とサトウ国の侵攻。もしサトウ国がこれ以上攻めて来なければ、国軍で悪魔討伐をしますか?」


「はぁ?そんなの国王に聞きなさいよ。決めるのは国王だわ。」

とミータ王女が言う。


カオーサ王子も。

「そうだな、私達が何を言っても、決めるのは国王だ。」


「国王はつい先程亡くなりました。カオーサ王子が後を継いだら、どうしますか?」

俺はカーオサ王子に告げた。


ガチャンッ!


「え!こ、国王が・・・。」


カオーサ王子とミータ王女は驚き、持っていたカップを落とし、固まった。

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