第132話 第二王子キオーガ2

マヒロシ王国の王城に乗り込んだら、第二王子のキオーガと会った。


こいつ、俺の話を聞いてるのか?

宣戦布告をしに来たって言ってるのに、話をしたいって・・・・。


意味不明だ。


「まあ、俺の用事が終わったら、少しぐらいは話をしてやっても良いぞ。」


「お前、王子に向かって、何という口の利き方だ。」


キオーガの隣にいた男が、剣を手にして前に出て来た。


お、やる気?


「ツホクセ、ちょっと待て。俺が話をしてるんだ。脇から出て来るなよ。」


キオーガがツホクセと言う兵士を止める。


「キオーガ様、此奴らは不審者です。しかも宣戦布告に来たとか、ここで捉えておかないと、後で面倒な事になりまする。」


もう1人の兵士がキオーガに耳打ちしている。


「イカサ、お前も黙ってろ、もう面倒な事にはなっているぞ。」


「しかし・・・。」

イカサはキオーガに睨まれて黙る。


「良し、宣戦布告と言うと、国王に用事かな?」


とキオーガが聞くので、俺は、「そうだ。国王と話がしたい。」と言った。


「そうかぁ、国王の元に案内しよう。お前等、行くぞ。」


キオーガって馬鹿か?

今から戦うって言う他人を態々案内するなんて・・・。


キオーガはツホクセとイカサに命令する、と振り返り歩き出したので、ついていく。


歩きながらキオーガが俺に話し掛けてくる。


「タクミは宣戦布告するって言ってたけど、何処かの国に所属しているのか?」


「いや、特にはないかなぁ? 何でだ?」


ん? サトウ国の事を何か知ってるのか? 取り敢えず誤魔化しておこう。


「宣言布告って国家間での戦争を宣言するんじゃない?」


「そ、そうか。俺個人がこの国に売られた喧嘩を買う時は何て言うんだ?」


「そもそも個人が国と喧嘩するって言う事がないからねぇ。タクミは国民全員を殺したいの? そうだと困るんだけど。」


「それは無いなぁ。精々王家を皆殺しぐらいかな?」


「皆殺しも困るなぁ。俺も殺されるんでしょ。」


「そうだよ。俺に敵対したら殺すだろうね。」


「んじゃ、タクミと敵対しない事にするよ。俺を殺さないでね。」


「むむ、まあ敵対しないなら殺さなくても良いかな。」


「出来れば、国王と第1王子だけ殺してくれれば、俺としては万々歳なんだけどね。」


「それは、相手の出方次第だな。」


「そうだよねぇ。」


キオーガって、中々喰えない奴だな。


と物騒な話をキオーガとしていると、おつきの兵士であるツホクセとイカサの顔が、赤くなったり青くなったりしている。


「ところで、タクミは従者が変わったのか? ブラックジャガー獣人の女性が一緒にいると聞いていたのだが。」


「いや、従者ではなく仲間だよ、ブラックジャガー獣人のノワは、今他の作業をしていて、その内合流するよ。こちらのルイが追加になっただけだ。」


「ルイ?」


「初めまして、Aランク冒険者のルイと申します。」

とルイが挨拶した。


「剣聖のルイかね?」


「そうです。」


「剣聖も従者なのかぁ?」

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