第108話 商業ギルド

俺達は屋台で串焼きを買って、屋台のオヤジに商業ギルドの場所を聞き、商業ギルドに向かった。


地竜の馬車を降りて、地竜を商業ギルドの厩舎に預ける。


商業ギルドは冒険者ギルドと同じく受付があり、1階に飲食コーナーが併設してあった。


飲食コーナーと言うか、テーブル毎に衝立で仕切ってあるので、商談コーナーなのか、カウンターに頼むと飲み物等を持って来て貰う事が出来るみたいだ。


取り敢えず受付に行く。


「どの様な御用でしょうか?」


受付嬢が聞いてきた。


「商業ギルドに登録したいのだが、どうすれば良い?」


「こちらに名前をお書きください。ランクFからのスタートで、登録料は金貨1枚になります。その他詳細はこちらに記載していますので、ご確認ください。」


受付嬢が登録用紙と注意事項等が記載された紙を渡して来た。


俺は用紙を受け取り内容を確認する。


問題が無さそうなので、金貨1枚を払って登録した。


受付から商業ギルドの登録証を受け取り、受付嬢に地竜を預けられる宿を幾つか紹介して貰った。


ジモから紹介された貴賓の宿もその1つだが、他にも3つほどあった。


王都にも4つしか無いのか・・・。


探されれば、直ぐに居場所が分かっちゃうなぁ。


これはあまり長居は出来ないか。


取り敢えずカウンターに行って、紅茶とお菓子を3人分注文し、商談コーナーに腰掛けた。


俺の横にブラックジャガー獣人のノワ、向かいにジャイアントハーフの聖騎士リンが腰掛ける。


「タクミ様、商人になるのー?」


ノワがお菓子を食べながら、聞いてきた。


「身分証替わりだよ。冒険者ギルドにあまり関わりたく無いしね。」


「もぐもぐ、ふーん。」


俺は商業ギルドの注意事項をみながら、紅茶を飲む。


すると裏側の商談コーナーから、商人達の小声の会話が聞こえてきた。


「イサカ村に行商に行ったタフキが、戻って来ないんだ。」


「そう言えば、イサカ村の者達が王都に来ないなぁ。」


「何かあったみたいだなぁ。」


ふむ、イサカ村かぁ、頭の隅にでも入れておこうか。


「良し、宿に行くか。」


俺は商業ギルドを出ると地竜の馬車に乗り、商業ギルドで紹介された『花鳥亭』に行く。


ちょっと高めの値段だけど、地竜を預けられるからしょうが無いね。


「次はどこ行くのー。」


ノワが腕を組んできた。


「冒険者ギルドだな。常設依頼の薬草を提出してくる。定期的に依頼を達成しておかないと、冒険者証登録も抹消されるからね。」


ノワさんや、胸が当たってるんですけど・・・。


「じゃあ、先行してギルドで王都の情報を集めておくねー。」


「お、宜しく。」


ノワは俺から腕を放すと姿を消した。

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