第83話 リトット伯爵の居城

俺とブラックジャガー獣人のノワと、ジャイアントハーフの聖騎士リンの3人はリトット伯爵の居城に向かう。


居城から駆け出て来る兵士達。


恐らく公爵軍の野営地に状況確認をしに行くのだろう。


すれ違いざま時を止める。


アイテムボックスから聖剣を取り出し、兵士達の首を刎ねる。


アイテムボックスに聖剣をしまい、元の位置に戻って時を動かす。


ズダダンッ!


兵士達は走りながら首が落ちて、倒れていった。


その音を背中で聞きながら、何事も無かったかのように、歩く俺達3人。


そのまま、リトット伯爵の居城の門前に着いた。


門番が二人槍を持って立っている。


通常深夜の居城に訪問する者はいない、門に近付く俺達を門番は訝しげに見ると槍を構えた。


「この時間に何用だ。」

低く威圧を込めた言葉。


門番の言葉を無視して門に歩いて行く。


「止ま・れ・・・。」


俺達は門番の脇を通り過ぎて、門に辿り着いた。


ドサッドサッ!


門番2人の首が落ちた。


「流石に深夜の門は締まってるな。」

押しても引いても門は開かない。


「そうでしょうね。」

リンが俺の横に並んだ。


「私が開けて来ますねー。」


ノワはそう言うと門の上に跳び上がると、門の中に飛び降りた。


ガタガタッ。


門が中から開けられた。

閂で締まっていた様だ。


「な、なにもの・・・ぐふっ。」

ブシュッ!ドタッ!


門が開くとノワが立っており、傍らに首を掻き斬られた兵士の亡骸が倒れていた。


「いらっしゃいませー。」

ノワが頭を下げる。


「こんな時に巫山戯るな。」

リンがノワの肩を軽く叩く。


「ふっ、行くぞ。」

俺はリンとノワの横を擦り抜け、居城の入口に歩いて行く。


リンが俺の後ろを続く。


「ちょっと待って下さいよー。」

ノワが俺を追い掛けて来る。


居城の入口に着き扉の取っ手を触る。


ガチャガチャ。


入口の扉も鍵が掛かっていた。


「ふむ。」

どうしよっかなぁ。

って考えていたら。


「音が出ても良いなら、私が開けましょうか?」

リンが盾を展開した。


「うん。頼む。」


リンは盾を構える。


「シールドバッシュ!」


盾を持ったまま扉に体当たりをした。


ドカッ!ズダアン!


扉が吹っ飛んだ。


「何だ何だ!」

「あっ!誰だ!」


使用人と兵士が出て来たが無視する。


「ノワ、伯爵の部屋に案内して。」

「承知しましたー。」


「おいおい、お前等何者だあああ!」


兵士が剣を抜いて迫って来て、使用人は奥に駆けていく。


「侵入ですううううう!」


「ノワ、使用人を頼む。」


「承知しましたー。」

ノワが消える。


一方兵士は剣を振り上げ踏み込んできた。


「タクミ様には指1本触れさせん!」


ガツンッ!


リンが盾で剣を受け流した。


その時、兵士の首が落ちた。


ドサッ!ゴロン。


俺が時を止めて斬ったんだけどね。

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