第36話 ナキサガの冒険者ギルド
皆に戦力増強の話をしたから、次はコボオの牧場かな。
「コボオ、牧場の状況を教えてくれ。」
「は、はぃいいい。」
コボオはかなり緊張してる様だ。
「牧場の運営は順調か?」
「は、はい。コボル達に入って貰い、人員不足を解消してます。」
「朝昼晩ちゃんと食事を食べて、休憩と睡眠もちゃんととってるんだろうな?」
「は、はい。食事は大体3食は食べれてます。休憩も睡眠も・・・。」
「おいおい、食事は大体じゃなくて、1日3食は絶対だよ。そして1日の労働時間は8時間だ、更に週に2日は休めるか?ブラックはダメだぞ。」
「は、8時間?そこまでは・・・。」
「それを目指して、人数を増やせ。」
「は、はい。」
「人手が足りなら、コウキはコボオに付いて、牧場の手伝いを継続で頼むぞ。」
「分かったワン。」
コボオもコボルト仲間と牧場で働いていたので、否は無い様だ。
「まあ、牧場はこんなところか。」
「ふ、ふぅ。」
報告を終えて一息のコボオ。
「次は、公爵の軍の状況かな?ヤマト、俺を待ち構えていた公爵軍は今どうなってるか、分かるか?」
「はいはい。私が都市を出た直後に戻って来ました。」
ノワが手を上げて答えた。
「お!有難う。流石ノワだね。」
「えへぇ。」
「公爵は怒り心頭だろうな。」
「怒りまくってますね。全財産が消えて、長女のアンナも死んでますからね。」
「その後の公爵の状況は掴めるか?」
「はい、大丈夫です。暗部の者を都市に潜ませてます。」
「おお!良いね。公爵が動き出したら教えてね。」
「はいっ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺と聖騎士リンと黒豹獣人のノワは、公爵軍の武具を回収する為、城壁都市ナキサガに入った。
本当はノワはジャガー獣人で、しかもブラックジャガーなんだけど、説明が長くなるので、黒豹獣人にしちゃいます。
本人が黒豹獣人って言ってたので、まあ良いかと・・・。
公爵は俺達を探しているらしい。
軍を分けて探してるそうだ。
各個撃破だな。
少数づつ鎧を貰って行こうと思う。
その前に・・・。
「俺とリンはEランク冒険者として、冒険者ギルドに登録してるから、ノワも登録しようか。」
「はい。」
と言う事で、冒険者ギルドに向かった。
また絡まれるかもな。
と思っていたけど・・・。
俺達が冒険者ギルドに入ると・・・。
「げっ!」
受付に並んでた何人かの冒険者がこっちを見て驚愕の目。
「前にどうぞ。」
先を譲る。
ん?
「何で?」
「聖騎士リン様ですよね。」
「そうですが・・・。」
王都で暴れたから有名人になった様だ。王都のギルドの現場にいた冒険者がいたのかも知れない。
これって不味いんじゃない?
公爵にもバレるよね。
何時の間にか、列に並んでた冒険者達が俺達の後ろに並び、先頭になっていた。
「何で後ろにいくんだよお。」
「お前、知らないのか?」
「あのでっかいのが怖いのか?」
「しっ、聞こえないように小さな声で話せ。」
「王都のギルドマスターとサブギルドマスターを、たこ殴りにして泣いて謝らせた奴等だよ。」
「ええええええええ!あのギルドマスターを?」
「元Sランク冒険者の二つ名『災厄』のババアをっ?」
「殴り倒した?」
「泣いた!」
「うっそおおお!」
「こっわあああ。」
ひそひそ話が聞こえて来たが、聞こえない振りして、受付に声を掛けた。
「この子の冒険者登録に来ました。」
無事ノワはFランクで登録出来ました。
その時、「タクミ様、冒険者ギルドの外で弓を構えている者がおります。」
ノワの耳がピクピク動いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます