第25話 牧場3

俺達は牧場を手に入れる為、牧場主の部屋に入った。


部屋の中では、牧場主であるカマシゴ男爵は雌コボルト相手に、下半身モロ出しで無理矢理SMプレイをしていた。


牧場主にこの牧場が、俺の物になった事を端的に説明すると、男爵は両手両足を床につき項垂れた。


牧場のコボルトは、鞭打たれた雌のコボルトに駆け寄り抱きしめた。


「コボコおおおおおお!」


「ぐっ、ぐふっ、・・・お父さん!」


聖騎士リンがコボコに回復魔法をかけて癒やした。


「ああああ、有難う御座います。」


どうやら男爵のSMの相手を、無理矢理させられていた雌コボルトは、牧場コボルトの家族だったらしい。


それを見た野生コボルトの群れリーダーであるコボル。

「この男が奴隷牧場の元凶かああ!」


錆びた剣を構えて振り降ろすコボル。


「ひ、ひぃ。助けてええええええ!」

男爵の首を刎ねたコボル。


フルチンの男爵は首を刎ねられ倒れた。


その後、牧場内を廻り奴隷達の契約を書き換え、俺に所有権を移した。


この男爵、他人を信用していないのか、極限まで扱き使いたかったのか、知らんけど、護衛を含め殆どが奴隷だった。


結果、労せずして牧場を、俺の支配下に置くことが出来た。


そして、牧場の運営も問題なく継続出来る事が分かった。


全て奴隷で運営していたから当然だ。


今後は無理が無い範囲で、牧場を運営していく様に指示し一段落。


決して過重労働はさせない、ブラックな職場にはしないのだ。


コボコの父である牧場コボルトが御礼に来た。


「有難う御座いました。私はコボオと申します。この牧場のコボルトリーダーをしておりました。」


「おお、そうか。これからも宜しくね。」


「タクミ様のご指示通り、今後は無理せず牧場を運営致しますが、無理をしないと人手が足りません。


今回我々を救出しに来てくれた、野生のコボルト達も牧場で雇って良いでしょうか?」


「私からもお願いします。安定した仕事と食糧は群れに取って、喉から手が出るくらい切望しておりました。」


コボオの隣でコボルからもお願いされた。


「此方からお願いしたい事だ。コボル達が良ければ、宜しく頼むよ。」


「おお、有難う御座います。我々の群れ一堂、タクミ様に忠誠を誓います。」


と言う事で野生のコボルトを仲間に加える事とした。


野生のコボルトの仕事の振り分けを後ほどコボオに任せる事とし、護衛隊長の奴隷を呼んで貰った。


護衛隊長の奴隷はオークだ。


牧場の奴隷は、大半がコボルトだが、それ以外も人間や獣人、ゴブリン、オークもいた。


主に人間と獣人は外部との遣り取り、ゴブリンとオークは護衛隊らしい。


「オークのオクオです。」

オクオは錆びた剣と鎧を装備していた。


男爵は利益が出ないところには、とことん金を掛けない主義だった様だ。


ボロボロの鎧じゃん。


こんなので、護衛出来るの?


オクオに騎士隊から奪った武器と防具を全て渡した。


「護衛隊は、この武器と防具を使ってくれ。馬も騎士隊から奪った16頭は、護衛隊で使用する事を許す。」


「おお、有難う御座います。」


「この国は近い内に相当荒れるだろう、場合によっては内乱が発生する。護衛隊は人員を増やし、最大限増強しておく様にね。」


「え?」

キョトンとするコボル、コボオ、オクオ。


無表情のリン、コウキ、ジジイ。

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