第17話 決闘1

フカクオ公爵次女カノンから決闘を申し込まれた。


地竜トリケラトプスを俺達から取り上げたいらしい。


「当家が勝ったら地竜を貰う。貴方が勝ったら公爵家の財産全てをあげましょう。その替わり決闘は今直ぐよ!」


言質は取ったぞ。

だけど、念には念を入れてっと。

「口頭だけでは、信用出来ないね。」


「失礼な!公爵家の者が嘘をつく訳が無いでしょう・・・。まあ、教会も絡んでいるし、誓約書はあった方が、後で問題になる事は無いでしょう。爺、頼むわ。」


「畏まりました。」


爺がポケットから魔道具の2枚の紙を取り出すと、魔法を詠唱する。


やけに準備が良いな?

これも初めから想定していたのか?


「誓約の魔法を使った。この内容に問題が無ければ、紙に魔力を流せ。」


内容を確認して問題が無いので、リンに魔力を流させる。


2枚の魔法誓約書を爺に渡すと、カノンも魔法を流した後、1枚をリンが受け取った。


時を止める。


アイテムボックスより聖剣を出して、『剛剣』カイトの首を刎ねた。


アイテムボックスに聖剣を終う。


時を動かす。


「こちらはリンの代理で俺が出る。」


「ははは、勝負を棄てたか!」

爺は勝ち誇った様に笑う。


「私の替わりは当然『剛剣』カイト様よ。」


「死んだ人が決闘出来るのか?」


「え!」


カノンと爺は『剛剣』カイトを見る。


「「ええええええええええええ!」」

目を見開き驚くカノンと爺。


ドサッ!

首の無い『剛剣』カイトが倒れる。


「な、何があった!」

「カイト様ああああああ!」

慌てふためく2人。


「お嬢様、何かおかしいです。ここは無理はしない方が・・・。」


爺は顔を青くして冷や汗を流している。


「今更何を言ってるの!魔法で誓約してるから、後に引けないわ。」


カノンは俺を見て切り出す。

「ちょっと待って下さる?」


「待てません。今直ぐ・・・で、誓約してますからね。代理が居なければ、お嬢様になりますが、宜しいでしょうか?」


「くっ、良い訳無いでしょう!相手が聖騎士リンでは無かった事が幸いだわ。爺、代理で出なさい。」


「畏まりました。しかしその男は不気味です。聖騎士リンの方が良かったのですが、しょうがありませんね。」


爺は短剣を出して身構えた。

体勢が低く半身になり、堂に入った構え。


「タクミ様、厭な予感がします。油断せず、あの爺には気をつけて下さい。」


「うん。かなりやりそうだなぁ。」


もっと動揺すると思ったが、『剛剣』カイトの死から早めに復帰したしね。


爺を鑑定したら、レベル52!

『剛剣』よりレベル高いじゃん。


しかも、『短剣達人』、『暗殺者』、『投擲達人』、『毒殺者』、『誓約魔法』『契約魔法』等物騒なスキルのオンパレード。


そして『王家暗殺部隊・前隊長』。


暗部の前隊長って・・・。


そうか!フカクオ公爵って暗部を管理している貴族だ!


油断は禁物だな。


俺は魔王の手甲を装備して、無手で構える。


『拳神』のスキルがあるからね。

素手でやりますよ。

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