第十三章 あめの日


あめが降る前って、なんとなく分かる。

あめが降る前は、臭いがする。


空がどんよりと曇りだし、今にも、降ってきそうだ。


「天気予報、あめって言ってなかったじゃん。傘ないし。」


仕事帰り、疲れてる上に、あめになんて降られちゃ、気持ちも沈むってもんだ。

家に帰り着くまで、降らないでくれよ。


家に着き、着替えて、リビングに入ると、外から、音が……。


ポト…ポト…ポトポト…ボトボトボトボト


「あ……目だ。」


空から、いくつもの目玉が降ってくる。






ー第十三章 あめの日 【完】ー

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