第7話 萌絵ちゃんの話



 何の手がかりもなかったので、翌日萌絵ちゃんとやらの様子をうかがう事にした。


 彼女は俺達とは別のクラスだ。


 だから放課に、廊下から教室の内部をのぞき込んで様子を見ることになった。


 見る限り、特におかしなところはない。

 が、他の女子生徒と、深刻な顔で話しあっている。

 聞こえてくるのは「先生がどうのこうの」とか。


 そこに、通りかかったらしいクソ教師腎内。


 廊下から萌絵ちゃんに話しかけていた。


「よう、萌絵。例の件考えてくれたか?」


 呼び捨てかよ。しかも下の名前で。

 

「いえ、その」

「俺は気長に待つつもりだけど、断る時は言ってくれよな。色々準備があるからさ」


 そう言われた萌絵ちゃんは、顔を青ざめさせている。

 腎内が何か彼女の都合の悪い事実を握っている、というのは間違いなさそうだ。


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