第66話 馬族とドワーフ族
数日後、回復したドワーフ族にストーン族との間に何があったのか訊ねてみました。
ある日、小型の宇宙船に乗ってストーン族の一人が惑星にやって来た。すると、50名程が乗る事ができる宇宙船を作って欲しいと依頼を受けた。初めての試みの依頼だったが、王は承諾して宇宙船を作った。完成した筒型の宇宙船に乗って惑星に帰って行ったが、数ヵ月後、大勢の仲間を引き連れて戻ってきた。彼らの要求は、同じ型の宇宙船を大量に造れとの事だった。断るごとに遥か昔から有効関係にある馬族を殺して行くと言う恐ろしい内容だった。只の脅しだと思い、王が突っぱねて縛られていた馬族を自ら助けようとしていたが、奴等は躊躇なく殺りやがった。そして、俺達は奴等に加担して、多くの宇宙船を作りあげた。宇宙を支配する為に使われる代物だと知りながら…
沢山の宇宙船を造りあげると整備が出来る5名は、惑星ガン鉄に派遣された。だが、最近何故か、食料や鉱石調達に行かせた船が全然戻って来ないもんで、途中で宇宙に落っこちる様な不良品作った役立たずはいらんと、奴等の移転にともない他の男達と共に巨大な大地の穴へ落とされてしまった。落とされても助かったのは、大地と水と風のエレメントの力を咄嗟に協力して使ったお陰だ。食料不足のせいで3名は死んじまった。
馬族の場合
筒型の宇宙船からストーン族が40名程出てきました。珍しく大きな船が来たなぁと家から出てきて近くで見ていると、降り立つなり奴等は、躊躇なく襲い懸かってきました。ドワーフ族を従わせる為の駒だと言って、準備した網で空を翔んで逃げないよう対策も万全でした。俺を含めた5名以外は、皆殺しにされました。戦意を失いドワーフの元へ連れて行かれました。船に必要な鉱石採集と運ぶのを手伝わされました。船が完成した後の生き残りは、この星にいる二人だけです。
『両名共、辛い話をさせたね。船の中だけど、リラックスして自由に過ごしてくれて構わないよ。』
『次の行き先は、ドワーフの星で決定だな。』
『ええ、新しい船を完成させる前に、ドワーフ族を救出して船の製造元を絶ちましょう。』
『おう!』
『疑問に思ったんだけど、連中は、何で俺達の惑星ほりほりの鉱石まで必要だったのさ?』
『ああ、かなり大量に作らされたから、鉱石の採集量が少しずつ落ちていったから、枯渇すると思ったんじゃないか。燃料を求めて、世界最大の鉱山に目を着けたんじゃないかと思うぞ。』
『そうか…』
『いいえ、完全には枯渇していません。奴等は、洞窟内には、来ていないので内部は把握していません。
鉱山長の指示に従いながら、少しずつちょろまかしていました。それが、貴殿方にも危害を及ぼす結果になったのですね、申し訳ございません。』
馬族の二人が深々と頭を下げました。
『いや、連中は全ての惑星を支柱に納める気でいたらしいから君らが謝る事は、ないよ。』
『ドワーフ族の惑星って何処に在るんだっけ?』
『… あの、宇宙船を操作する事は出来ませんが、正確な場所までナビゲート出来ると思います。』
『よし、馬君!まだ、疲れているとこ悪いけど、コックピットで確認しながら惑星まで案内出来る?』
『私の名はデュランダルです。まずは、東南東付近に行って頂ければ、追って説明します。』
『了解だ。もう戦闘疲れは、残って居ないよね?』
『当たり前だ。年寄り扱いなんかすんじゃねぇ、この野郎💢』
『いや、確認したいのは、主にノームのおっさんだけだからそう、怒らないでヒョウガ💦』
『おっさんじゃなくて、お兄さんだ!若いから疲れなんてぶっ飛んでる。心配するなら、最年長のラルゴさんのほうじゃないかな。』
『私の心配は、無用です。例え、この身がボロボロに成ろうとも世界の破滅を止める為に戦い続けます。』
『父さん、無茶しないで欲しいです。もう、充分、戦法や戦い方を学びましたから休んでください。』
『いや、元を完全に叩かない限り新たな時代を切り開いたとは、言えない。まだ、休む訳にはいかない。』
『ラルゴは、残念ながら、欠かす事の出来ない精神的支柱だ。戦闘は、自重するとしてもエデンの中には、いてもらわないと困るな。』
『王子、私を年寄り扱いしないで頂きたい💢そこらの若い者には負けないし、戦い方も熟知しています。』
『本人の意思は硬いから、無理強いは出来ないけど、壊れるまでやる無茶だけは、しないでね。』
『… 了解です。』
『もう一つ聞く事があったんだ。尼ヶ原は、何処にあるか知ってる?』
『あの、男の桃源郷に行きたがるとは、王子も中々やるね。』
『ノーム失礼な事言って、煽ってんじゃねえよ!』
『行きたがるのは、ここの女共には、色気なしって堂々と宣言しているもんじゃねぇーか!』
女子から白い目で男からは、軽蔑の目で見られています。
『一人で盛り上がっている所、悪いが名医が教えてくれた惑星の名前以外は、知らないんだ。拐われた女の子がいると思われる惑星の名がそれらしいんだ…』
『このバカがすまない。ほら、ちゃんと謝れ!』
カイルのボディーブローが入った。
『どっ、どうもすみませんでした。』
『惑星尼ヶ原は、連中が桃源郷として再利用してやると言っていた私たちの母星グランドメドウだと思われます。』
『成る程、馬族の惑星にも行く必要あるね。でも、先にドワーフ族の所に行くよ。』
『はい、先にドワーフ族を助けてあげてください。 彼女達は、恐らく丁重に扱われている筈ですので猶予はあります。』
『子供には、衛生上よろしくない場所って事だけは、間違いないぞ💦』
『10年速いな。最後に行って無血開場が出来るかも知れないぞ。戦いより女ってふざけた連中の集まりってのは、確実だからな。』
『議論はこれにて終了だ!明日、出発するからコンディションを各自整えるようにね。』
『はーい』
『ドワーフの星で空を飛ぶ生物って何かいる?』
『そいつは、てんとう虫だ。』
『そうか、カメラをてんとう虫に偽装する型を作るから、隣でアドバイスくれないか?』
『ああ、物作りは、得意なほうだ。俺達も手伝わせてもらおう。』
『そうか、よろしく頼む!』
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